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書誌情報
渡部友一郎「隣のプロフェッショナル (6):中尾雄史弁護士」月刊登記情報65巻6号(2025年)88-93頁
法務部員・組織内弁護士向けのまとめ
本稿では、佐賀県武雄育ちの中尾雄史弁護士が、バックパッカーの旅で培った異文化好奇心を武器にフレッシュフィールズ東京代表パートナーへ至る軌跡を紹介。英語への葛藤、国際案件を率いる柔軟性、クライアントを再来させる「ハッピー哲学」、メール70通維持のタスク管理術まで、しなやかに成果を生む思考と行動のエッセンスが詰まった一篇。
法務部員・組織内弁護士のNext Step
異文化を楽しみ視野を拡張する 中尾先生の核は「旅で得た余白」です。週末や連休を利用して未知の街や業界イベントに足を運び、現地の人と会話し価値観の違いをメモしましょう。英語力ではなく「知らない文化を楽しむ姿勢」が国際案件での説得力を高め、専門知識に厚みを加えます。
余白を確保しクライアントを二度笑顔にする メール受信箱を70通以内に保ち、返信後は即フォルダ移動―このシンプルな習慣が迅速レスポンスと心のゆとりを生みます。空いた時間で「依頼者が本当に求める結果」を再確認し、次の提案を先回りで用意してください。「二度目の依頼」を得る喜びが、プロとしての軸と成長サイクルを支えます。
おわりに
連載第6回では、私が最初に所属したフレッシュフィールズで基礎を築く機会をくださった中尾雄史先生にお話を伺いました。退所後も折に触れて励ましてくださった恩師です。新人時代は声を荒らげる指導が珍しくありませんでしたが、中尾先生は感情を抑え、穏やかにチームを導いておられました。その姿勢は、肩書より人間性を重視するリーダーシップを15年前から体現していたと感じます。録音を繰り返し聴く中で新たな気付きがあり、改めて感謝しております。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
司法書士業向け専門誌「月刊登記情報」(金融財政事情研究会)にて、連載「隣のプロフェッショナル」を担当させていただくことになりました。まだまだ組織内弁護士や法務部員として研鑽中の身ではありますが、法律業界の各分野で活躍されている方々にお話を伺い、その学びや視点を読者の皆さまと共有できればと考えております。キャリアや日々の業務に小さな気づきやヒントを得ていただけるよう努めてまいります。