新規論説丨渡部友一郎「隣のプロフェッショナル (3):寺本振透 教授」月刊登記情報65巻3号(2025年)58-63頁

司法書士業向け専門誌「月刊登記情報」(金融財政事情研究会)にて、連載「隣のプロフェッショナル」を担当させていただくことになりました。まだまだ組織内弁護士や法務部員として研鑽中の身ではありますが、法律業界の各分野で活躍されている方々にお話を伺い、その学びや視点を読者の皆さまと共有できればと考えております。キャリアや日々の業務に小さな気づきやヒントを得ていただけるよう努めてまいります。

書誌情報

渡部友一郎「隣のプロフェッショナル (3):寺本振透 教授」月刊登記情報65巻3号(2025年)58-63頁

法務部員・組織内弁護士向けのまとめ

本稿では、VC黎明期に西村あさひで経験を積み、米国留学でインターネット商用化の初動を体験し、その後九州大学教授へと進んだ寺本振透先生に焦点を当てます。取材を通じて私自身も学びを深めながら、次の三点を整理しました。

  1. 情熱を燃やし尽くさず「適温」を保つサバイバル術
  2. GoodNotesやGeminiなどのツールを活用して学習を加速させる方法
  3. 絵本『としょかんライオン』を手がかりにルールを見直す発想

持続的な成長を目指す読者に向け、熱量の高い方にも穏やかな方にも役立つ実践的ヒントを紹介できるよう心がけました。

法務部員・組織内弁護士のNext Step

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自分の「適温」を測り直す 寺本先生は、情熱を保ちつつ燃え尽きない「ぬるさ=適温」を維持することが長期的なキャリアの鍵だと示唆します。まずは自分の仕事熱量を振り返り、週単位で無理なく続けられるリズムを設定しましょう。「常に全力」を控えることで、疲弊せず成果を積み上げる基盤が整います。

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ネットワークを「拒まない」で拡げる 外向的でなくても、人からの誘いを大きなリスクがない限り受け入れる。この緩やかな姿勢だけでネットワークは自然に広がると寺本氏は述べます。次のミーティングやオンライン交流で一歩受容的になり、相手の関心に耳を傾けることが思わぬ協働や学びにつながります。

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ツールと小さな習慣で学びを継続する GoodNotesで資料を取り込み、Geminiなど生成AIで翻訳や要約を回し、SNSで試論を投稿する。寺本先生は「瞬時にメモし、すき間で学ぶ」回転力を高めています。読者も日々10分のマイクロ学習とアウトプットを組み合わせ、知識を内面化する仕組みを作ることで、適温を保ちながら成長を促進できます。

おわりに

連載は第3回に入りました。インタビュー録音を繰り返し聞き返しながら原稿を作成する過程は、私にとって大きな学びの機会です。同じ言葉でも回数を重ねて聴くうちに理解が深まり、前後の文脈を追うなかで新たな発見が生まれるため、最近はこのプロセス自体が楽しみの一つになっています。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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