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年末年始ノート(2)丨62-75期の若手組織内弁護士の調査を通じて得た学びと影響―2024年から2025年へ

読者の皆さま、2024年も大変お世話になりました。2025年もご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願いします。2024年の多忙を理由にタイムリーに皆様にシェアできなかった内容を1つ1つ短くお届けしてまいります。皆様の2025年のアイデアやお取り組みのお役に立てば幸いです。

第2回は、今年を振り返る中で、私にとって特に大きな挑戦であり、学びとなったのが、日本組織内弁護士協会(JILA)の若手組織内弁護士調査を主導したことです。この調査は、ゼロから企画し、多くの方々と協力して完成させたもので、私にとって非常に意味のあるプロジェクトでした。

2024年7月(調査の準備が佳境な頃のポスト)

2024年の限りある時間の中で、日々の仕事から時間を切り分けて、若手のために汗を流したいと言う思いをきちんと高い優先順位を保てて取り組めた事は、私の中で本当に大きな達成であったと思います。

調査の背景と目的

この調査は、2024年7月17日から8月13日にかけて実施され、62期から75期の若手組織内弁護士490名の方々にご協力いただきました。その目的は次の通りです:

  1. 若手組織内弁護士が抱えるペインポイントや悩みを解明すること。
  2. 若手がJILAに期待していることを具体的に特定すること。

この取り組みを通じて、若手が直面する課題をデータに基づいて明らかにし、それをもとに解決策を提案することを目指しました。

ゼロからの企画と協力の力

このプロジェクトを始めた当初、私はどのように調査を設計し、進めるべきか手探りの状態でした。しかし、仲間や理事の方々からのフィードバックやアドバイスをもとに、一歩ずつ形を整えていくことができました。最終的に、多くの方々の力を結集して、報告書を完成させることができたのは、チームで取り組むことの力を改めて実感させられる経験でした。

調査結果を通じて得た影響

この調査を通じて、若手組織内弁護士が抱えるキャリア成長への不安やロールモデルの不足、「語学」や「経営目線」へのニーズなど、多くの実態が明らかになりました。例えば:

  • キャリア成長への不安:63.9%の若手が不安を抱えていることが判明しました。
  • ロールモデルの不足:36%しか「ロールモデルがいる」と回答しない結果が示されました。
  • JILAへの期待:人脈構築(37.3%)や専門知識の獲得(32.4%)が上位を占めました。

これらのデータは、学会報告や理事会での議論に活用され、ロースクールの研究者による教育プログラムの改良や、JILA内での若手支援プログラムの具体化につながりました。

個人の成長と社会への貢献

この調査を通じて得られた最大の収穫は、「自らがアドボケートとして動くことで、データに基づいた提案が社会に影響を与えられる」ことを実感できた点です。調査結果が若手弁護士のペインポイント解消に向けた政策や研修プログラムの策定に寄与し、多くの方に役立てていただけたことは、個人として非常に大きな励みとなりました。

最後に

今回の調査を通じて、多くの方々からの支援や協力の重要性を改めて学びました。この場を借りて、関わってくださった全ての方々に深く感謝申し上げます。

2024年の振り返りとして、来年も引き続き若手の声を活かし、より良い環境づくりに向けて努力を重ねていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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