人間の価値観をAIに組み込む(3・完)丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年3−4月号

「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Jacob Abernethy, François Candelon, Theodoros Evgeniou, Abhishek Gupta, and Yves Lostanlen (2024). Bring Human Values to AI: Speed and efficiency used to be the priority. Now issues such as safety and privacy matter too, Harvard Business Review, 102(2), 61-68.

メモ

筆者らの主張は3つの重要なポイントにわけられそうです。

第3に、人間のフィードバックの重要性です。

筆者れによれば、AIに価値観を組み込むためには、大量のデータが必要であり、その多くは人間によって生成またはラベル付けされます。そして、「人間のフィードバックによる強化学習」(reinforcement learning from human feedback)は、人間がAIの出力を評価し、それに基づいてAIの行動を改善するプロセスであるところ、AI製品のリリース後も継続的なフィードバックが求められ、ユーザーからの意見を取り入れてAIの行動を調整することが重要であると主張します。例えば、ソーシャルメディアやオンラインゲーム会社は、ユーザーがボタン一つで「不適切な行動やコンテンツを報告できる仕組み」(report potentially suspicious behavior or content)を整えていることを指摘しています。この手法を踏襲することにより、AIは、市場の価値観に対応し続けることができると論じています。

ステークホルダーアプローチについては既に日本でも様々な分野で取り入れられつつあるアジャイルな取り組みですが、「価値観の整合性」というキーワードは覚えておきたいですね。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

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