Gizem Yalcin and Stefano Puntoni (2023). How AI Affects Our Sense of Self – And why it matters for business, Harvard Business Review, 101(5), 130-136.
メモ丨製品と顧客の感情の関係
- 初めてのケーキミックスの課題
- ケーキミックスは、発売当初、製品の性能が優れていたにも関わらず、初期の売上は期待を下回っていた。なぜなら、顧客はケーキミックスが、「ベーキング」(という従来手間がかかる作業)をあまりにも簡単にしたため、何らかの形で「ズル」をしていると感じていた。
- この洞察を元に、製造企業は、卵パウダーを材料から意図的に取り除き、顧客に卵を割り、ミックスに混ぜるように指示した。
- この小さな変更により、顧客は自分自身をより良く感じ、売上が向上した。
- 現在、70年後の今日でも、ほとんどのケーキミックスは、なお、卵の追加をお客の作業として残している。
- 自動化技術と顧客の感情
- 企業が自動化製品やサービスを採用する中で、それらが顧客にどのような感情をもたらすかを理解する必要がある。
- 従来、管理者や学者は顧客が製品について何を考えているかを中心に調査してきた。
- 例: 人々はAIを人間より好むか(好まない)、AIがどれほど公正と感じられているか(あまり感じられない)など。
- 人々が仕事内外でAIや自動化技術と頻繁に意味のある交流を持つようになったため、今こそ、これらの技術が引き起こす感情に焦点を当てる必要がある。
- 自動技術に対する人々の反応の研究
- 過去7年以上にわたり、自律技術に対する人々の反応やそれを採用する際の心理的障壁を研究してきた。
- 本記事では、最近の研究と実際の例を基に、3つの重要な分野での心理的影響を検討する。
- サービスとビジネスプロセスデザイン
- 製品デザイン
- コミュニケーション
- 研究と例を検討した後、顧客にサービスを提供し、従業員をサポートし、組織の利益を推進するために、AI駆動や自動化技術を最適に使用するための実践的なガイダンスを提供する。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読んでおります。後日、講演や文献で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。心理学学士・認定心理士を取得してますます人の心理に興味がひろがっており、次にワクワクと興味を強くもったのが、『AI(製品)が私達(人間)の自己意識に与える影響』を論じた論文でした。
なお、英語力に乏しく、自身の理解に限界があるため、必ず、ご自身で原典をご購読・ご精読いただけたら幸いです。