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『あなたも加算病?』[原題:Rid Your Organization of Obstacles That Infuriate Everyone]メモ(2)丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年1−2月号

お読みいただき、ありがとうございます。「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を辞め、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

(*)英語力が乏しいためノロノロと順次、テクノロジーの力を借りつつ整理しておりますが、毎号素晴らしい学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、Blogをきっかけに、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Robert I. Sutton, Huggy Rao (2024). Rid Your Organization of Obstacles That Infuriate Everyone, Harvard Business Review, 102(1), 98-107.

メモ

最新の研究によれば、組織が「加算病」(addition sickness)に蝕まれる原因が3つ特定された。

  • 第1に、私達は、何かを「足す」ことを考えがちで、「減らす」(削除する)ことはあまり考えないことがある。この「足せばいい」という「加算バイアス」(addition bias)が、大学の改善(improve universities)、文章の編集(edit their own and others’ writing)、レシピの修正(modify soup recipes)など様々な身の回りの事項に影響を与えている、と筆者らは指摘する。
  • 第2に、「足す行為」(例:組織への新しい技術の導入、新しいイニシアティブの立ち上げなど)を行ったリーダーが評価され・インセンティブ(報酬)を獲得する一方、他方で、「不要なものを足さない人」が評価されることは滅多にない(people with the wisdom and discipline to avoid adding unnecessary stuff are rarely noticed or rewarded)。
  • 第3にリーダーが、自分の行動が、組織の他者にどれほど負担をかけているかを理解していないことが多い(have a limited grasp of their “cone of friction”―下記補足参照)。

(*) 「cone of friction」(障害の円錐)とは、リーダーの行動や決定が他者に与える負担の範囲を指す(CEOが頂点にいるピラミッド型を360度ぐるっと回転させた「円錐」を想像してほしい)。組織のリーダーはしばしば、自分の行動が「(命令系統にある円錐の)下部を支える人々」にどれだけの困難をもたらしているかについての認識が不足している。この「障害の円錐」を理解することは、組織内で不要な障害を取り除き、より良い働きやすい環境を作るために重要である。

感想になりますが、本稿の中でも「cone of friction」(障害の円錐)は、どの組織にも「あるある」ではないでしょうか。役員の思いつきの一言、ボスの何気ないアイデア(いずれも加算病に気が付かず、何かを足そうとするもの)で、下の人々がその実装のために右往左往する(が、結果的に、組織にはポジティブなインパクトがなく、掛け声でおわることもある)。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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