『困難な時代に共感力を維持する3つの戦略』メモ(3)丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年1−2月号

お読みいただき、ありがとうございます。「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を辞め、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

本論文は「共感がスキル」であることを示しています。私達の職場に蔓延る「共感力が十分ではない法律職の人々」(=自己の脆弱性も含め、職人気質な人間の多い法務部門・弁護士あるある、なお、悪意はないことが多い。)は、改善できます。「共感」の学習・鍛錬に十分な時間をかけて、筋トレ同様、ちょっとずつ鍛えていくしかありません。

(*)英語力が乏しいためノロノロと順次、テクノロジーの力を借りつつ整理しておりますが、毎号素晴らしい学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、Blogをきっかけに、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Jamil Zaki (2023). How to Sustain Your Empathy in Difficult Times, Harvard Business Review, 102(1), 62-69.

メモ

戦略2 2つの共感力を区別し、使い分ける

「共感」は一括りにされがちであるが、実は、複数の形態がある。筆者は、本稿において、2つの重要な異なる「共感」を示す。①感情的共感(emotional empathy)、及び、②共感的関心(empathic concern)である。

  • ①感情的共感(emotional empathy)は、他者の感情を自分のものとして感じることを指す。②共感的関心(empathic concern)とは、他者の幸福を向上させたいと願うことを指す。
  • 両者は、異なる脳のシステムが関連しており、バーンアウトへの影響も異なる。
  • 研究の結論から述べると、①感情的共感が高い医師はバーンアウトしやすいのに対し、逆に、②共感的関心が高い医師はそうではなかった
  • また、②共感的関心を重視するリーダーは、バーンアウトしにくく、より効果的で、仕事を辞める意向が低い結果を示した。したがって、戦略としては、②共感的関心を優先し、①感情的共感を適切に調整することが重要になる。
特徴感情的共感②共感的関心
定義他者の感情を自分のものとして感じる働き他者の幸福やウェルビーイングを向上させたいという願望・働き
脳のシステム感情に基づいたシステム認知に関連するシステム
バーンアウトへの影響バーンアウトのリスクが高いバーンアウトのリスクが低い
行動の傾向他者の感情に引きずられる積極的に他者を支援しようとする
効果他者の問題に共鳴しすぎることでサポートの質が低下しうる効果的なサポートを提供し、他者の幸福感を高める

自分なりの理解をメモしておくと、共感的関心とは、他者の幸福やウェルビーイングを向上させたいという願望や動機を指すと理解しました。ポイントは、単に他者の感情を理解するだけでなく、実際に部下や困っている人々の状況を改善しようとする積極的な態度や行動(他者への援助や支援、応援)を伴います②共感的関心を持つ人は、他人の苦しみや困難に対して共感するにとどまらず、それを軽減しようと努力します。「私も分かるよ〜、辛いし悲しいよね」と共感するにとどまらず、それを軽減するための「行動」が伴うというところが鍵なのだろうと考えております。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

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