Kiran Bhatti and Thomas Roulet (2023). Helping an Employee in Distress – Managers shouldn’t try to be therapists, but they should know the basics of mental-health first aid, Harvard Business Review, 101(5), 38-45.
1. 管理者のメンタルヘルス対応の難しさ
- 多くのマネージャーは、身体的なケガに対応するための救急処置のトレーニングを受けるが、メンタルヘルスの問題に対処する能力は乏しい。
2. メンタルヘルスへの需要の増加
- COVID-19パンデミックや急速な技術の進歩などの要因により、多くの従業員がストレスを感じている。
- ミレニアル世代やZ世代は、メンタルヘルスの重要性を認識し、治療を受けることを普通とみなしている。
3. 認知行動療法(CBT)とは?
- 50年以上にわたり、認知行動療法(CBT)は多くの軽度の心理的問題のための主要な治療法として注目されてきた。
- CBTは、考え、感情、身体的な感覚、および行動との関係に焦点を当てる治療法。
- 英国では、低い気分や不安といった一般的な労働年齢層のメンタルヘルスの問題の第一選択の治療として推奨されている。
4. 認知行動療法の職場での効果
- Deloitteの2020年のレビューでは、認知行動療法が従業員の欠勤、ストレス、不安の管理を助けるためのコスト効果的な方法であると示されている。
- KPMG, Uber, Bank of America, Microsoft, Salesforceなどの企業が、従業員にオンラインの認知行動療法ベースのツールを提供している。
5. 認知行動療法の教育とその普及
- 英国や他の国々の多くの企業が、管理者や従業員にメンタルヘルスの救急処置のトレーニングを提供している。
- アメリカでは、3,100社以上がトレーニングを提供しており、3百万人以上がこれを完了している。
6. 認知行動療法の原則への詳細な理解
- 多くのマネージャーは、認知行動療法の原則や、認知行動療法を使用して職場でのサポートをどのように提供できるかについて、十分に知識を持っていない。認知行動療法の原則と実際の応用をより深く探る必要がある。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
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毎朝4時台に起床して、なんとか勉強時間を捻出しています。さて、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。
心理学学士・認定心理士を取得し、最高の法務サービスを提供するには「心」の理解が大切と考えています。前回取り扱った、AIが「人の心」に与える影響に続いてワクワクと興味を惹かれたのがこちら、『部下のメンタルヘルス』を論じた論文でした。
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