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年末年始ノート(3)丨ホンダ(本田技研工業)様の法務研修での学び「もっとやったのか?―本田宗一郎氏の言う『試す人』とAirbnb法務の不思議な共通点」―2024年から2025年へ

本田技研工業様の東京・青山にある本社ビルにて法務部の方にご撮影いただいた思い出の写真

読者の皆さま、2024年も大変お世話になりました。2025年もご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願いします。2024年の多忙を理由にタイムリーに皆様にシェアできなかった内容を1つ1つ短くお届けしてまいります。皆様の2025年のアイデアやお取り組みのお役に立てば幸いです。

大晦日の本日は、2024年に与えていただいた様々な企業・法律事務所様の講演の中でも、Blogでご報告できていなかった本田技研工業様での講演準備を通じた「新しい学び」を共有させてください。

11月20日の講演後、報道されている通り、おそらく研修でお会いしたHONDA法務部もの皆様は、前例のない大変な忙しさでおそらくお正月も返上して業務に当たられているのではないかと思います。製造業とIT⋯一見すると、遠く離れた2つの企業の目指している熱い志がピタリと重なると感じた瞬間が、この本田技研工業様での登壇であり、私自身がどの研修でもそうですが、多くを学ばせていただきました。大晦日の投稿ということで、2024年のハイライトの1つとしてご報告させてください。

本田技研工業株式会社様 法務部門研修「もっとやったのか? ―「試す人」と Airbnb法務との不思議な共通点」講師(2024年)

「試すこと」の本質を学ぶ

本田宗一郎氏の言葉に、「もっとやったのか?」という有名なフレーズがあります。この言葉は、挑戦の大切さを端的に表現したものとして、多くの人々に語り継がれています。この講演を通じて私が伝えたかったのは、この哲学が法務の現場でも適用できるということでした。

Airbnbでの法務経験を振り返ると、事業リスクを評価し、「これはリアルワールドリスク(現実のリスク)なのか?」と問い続ける姿勢がいかに重要であったかを痛感します。法務部が事業のブレーキではなく、アクセルの役割を果たすためには、挑戦する意志と、それを支えるスキルが必要です。

本田技研工業様での講演内容

2024年11月20日、私は、本田技研工業様の東京青山の本社ビルにて、「もっとやったのか? ―「試す人」と Airbnb法務との不思議な共通点」というテーマで、本社・和光・栃木などの法務部門の皆様に対して、対面・オンラインのハイブリッドにて講演をさせていただく機会を頂きました。日本を支え、モビリティ業界の先端を行く本田技研工業様の法務部の皆様の前でお話ができることは光栄の極みであり、羽田部長や事務局の皆さまと綿密な打ち合わせを行い、心を込めて数ヶ月準備してきました。当日は(抽象的な紹介に留まりますが)以下のような内容を共有しました:

  • 試すことの重要性:私がホンダ様の歴史を知るうえで事前に勉強させていただいた創業者本田宗一郎氏の「試す人」という考え方や言葉を最大の敬意をもって取り上げ、Airbnbでの「試す文化」との不思議な共通点、どのような技術で法務業務を支えたかをお話しました。
  • リーガルリスクマネジメントの実践:ISO31000などの国際基準を活用し、リスクを特定し、評価し、対応する方法を具体例とともに解説しました。
  • リアルワールドリスクの見極め:法務部門が「過剰なリスク回避」から脱却し、事業部門と連携してリスクを取る勇気を持つ重要性を強調しました。

この講演では、法務部が単なるリスク回避者ではなく、ビジネスパートナーとしての役割を果たすために必要な「試す力」について議論しました。

講演を通じて得た学び

本田技研工業様の法務部の皆様との対話を通じて、製造業とIT業界という異なるフィールドに共通する課題やチャンスを再認識しました。それは、どの業界においても「挑戦」と「リスクテイク」が成功の鍵であるということです。

私自身、この講演を準備する中で、本田宗一郎氏の哲学とAirbnbでの経験を再評価し、これまでのキャリアをより深く掘り下げることができました。

2024年12月には、日本の自動車業界の大きな再編につながり得る大きな発表がありました。このニュースを聞いたとき、数ヶ月にわたる準備が始まる頃、講演の予定日にはいくつかの候補があったけれど、もし12月で公演をご相談していたら「流れていた」かもしれない(それどころではない!)⋯と、タイミングの天啓、そして、もしあの時心を込めてお話しした内容が、本田技研工業の法務部門の皆様の何か1ミリでもお役に立っていたら嬉しいなと祈るような気持ちでおりました。

また、本田技研工業様の法務部門には、大学のゼミの時代にお世話になった先輩が過去所属されており、現在は九州で個人の弁護士として活躍される私が好きだった先輩から「ホンダの法務部はすごいんだぜ」という目を輝かせてお話をしてくださったことが今回のご縁につながったのだと思っています。当日対面でお会いした皆さまが素敵で、懇親会も含め、非常にお忙しい中お時間を取ってくださったことを、改めて、そして心から感謝申し上げます。

最後に

2024年も多くの皆様に支えられ、貴重な経験を積むことができました。本田技研工業様での講演は、その中でも特に印象深いものでした。この場を借りて、改めて感謝申し上げます。

2025年も、皆様のアイデアやお取り組みに少しでもお役に立てるよう尽力してまいります。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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