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『大胆な変革を導くストーリーテリング』メモ(2)丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号23年11−12月号

毎朝4時台に起床して、なんとか勉強時間を捻出しています。さて、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

最新号の特集で最も心惹かれた論文の1つでした。

創業時にはキラキラしていた企業文化も、澱み、濁り、そして、組織の風土は土台から腐り始め、やがて、事業や株価も大きく凋落していきます(そして、優秀な人から辞めていく)。脱出できず、組織に毒された人々も希望を失い、やがて変化を恐れ、自己保身のために、沈みゆく船を見て見ぬふりをして、必死に現状維持を続けようとあらゆる抵抗を続けます。そして、船は沈みます。どこの集団・組織でも聞く、人類史上ずーっと「あるある」のことです。

では、どのように変革をもたらすのか?― 理論だけではなく、まさにここに研究されている段階を追ったアプローチが重要となってくるのでしょう。

(*)英語力が乏しいためノロノロと順次、テクノロジーの力を借りつつ整理しておりますが、毎号素晴らしい学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、Blogをきっかけに、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Frances X. Frei and Anne Morriss (2023). Storytelling That Drives Bold Change: How to craft a narrative that matters, Harvard Business Review, 101(6), 62-71.

メモ

3. 過去を尊重する

変革を推進するためには、まず過去を振り返り、良い部分を認めることが大切です。人々を引き込むには、企業の最良の部分を維持する意図を明確に伝えます

アムステルダム大学の研究によると、変革による企業価値やアイデンティティの喪失を従業員は恐れます

継続性を強調することが変革をサポートします。例えば、ウーバーのCEOダラ・コスローシャヒは、ウーバーの強みを維持することを約束しました。過去を尊重し、変化への不確実性を持つ人々への理解を示すことが重要です。

4. 変革に向けた明確かつ魅力的な指令の提供

過去を称えた後、異なる未来への理由を共有します。

「なぜ」について深く考え、解決しようとしている問題と、それを解決しないことのコストを明確にします。

ハーバードビジネススクールのカンターの法則」(管理人註:組織変革とイノベーションに関する理論で、新しいアイデアや変革が初期に反対に遭い、初期の成功が過小評価されるが、成功が明らかになると広く受け入れられるというもの。)により、全てが中途で失敗しているように見えるため、人々に前進し続ける確固たる理由が必要です。

例えば、ドミノピザ CEO パトリック・ドイルは、顧客の不満を明らかにし、変革の必要性を鮮明にしました。消費者と正直に向き合うことで、ドミノは誠実さを示し、「ピザターンアラウンド」により店舗売上を1年以内に10%以上伸ばしました。

5. 明確かつ楽観的な進路を描く

計画の詳細に入り、選んだ道の根拠と確信度を説明します。厳密さと楽観性を伝えるために、データを活用します。

たとえば、デンマークのØrsted社は、化石燃料からのエネルギー比率「85%」に焦点を当て、再生可能エネルギーへの転換を目指しました。

また、Amazonのジェフ・ベゾスは新しいアイデアのために構造化されたメモとプレスリリースを要求し、本物の熱意をテストします。

Gallupの調査によると、リーダーシップの未来に対する熱意に「強く同意」したのは、米国の従業員のわずか15%でした。厳密かつ楽観的な進路を描くことで、改善を目指しましょう。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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