Frances X. Frei and Anne Morriss (2023). Storytelling That Drives Bold Change: How to craft a narrative that matters, Harvard Business Review, 101(6), 62-71.
6. ストーリーの要素をまとめる
XeroxのCEO、Ursula Burnsは製造からサービスへの大きな転換をリードし、ストーリーテリングがリーダーシップの重要な手段であることを語りました。「物事を文脈に置くことが重要」と述べ、変化が唯一の道であり、より良いXeroxが待っていることを世界中の関係者に明確にしました。
深い理解と簡潔な表現、過去の尊重、変革の必要性の明確化、そして未来への厳格かつ楽観的なビジョンを提供するという構造を用いて、人々があなたに従う変革の物語を作成します。
考えを紙に書き、実用的であればチームと共に共有し、テストして改善します。信頼できる顧客からのフィードバックなどのインスピレーションを得て一般の人々を物語に参加させましょう。言葉、数字、漫画、写真を活用し、変革の物語を生き生きと描き出し、プロセスを楽しむことが重要です。
7. 物語を繰り返し伝える重要性
変革を推進するリーダーにとって、スピーチ、インタビュー、タウンホールミーティング、チーム会議、個別面談など、あらゆる場で自らの物語を繰り返し語ることが重要です。様々な形式でコミュニケーションを取り、快適ゾーンを超える挑戦が求められます。
例えば、スマートフォンで作る高品質ビデオは、変革の物語を視覚的に伝える強力な手段になります。
変革リーダーは、自分が考える以上に頻繁に戦略的メッセージを伝える必要があります。これにより、忙しくて集中力が散漫な関係者も、物語を深く理解し、信頼できる行動に移すことができます。
フォードの元CEOアラン・マリアリーは、「One Ford」計画を熱心に話し続け、企業を破産の危機から救いました。
ハーバードビジネススクールのツェダル・ニーリーとカリフォルニア大学のポール・レオナルディの研究は、意図的に繰り返すこと(intentionally redandant)がプロジェクトを効率的に進めることを示しています。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
毎朝4時台に起床して、なんとか勉強時間を捻出しています。さて、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。
最新号の特集で最も心惹かれた論文の1つでした。
創業時にはキラキラしていた企業文化も、澱み、濁り、そして、組織の風土は土台から腐り始め、やがて、事業や株価も大きく凋落していきます(そして、優秀な人から辞めていく)。脱出できず、組織に毒された人々も希望を失い、やがて変化を恐れ、自己保身のために、沈みゆく船を見て見ぬふりをして、必死に現状維持を続けようとあらゆる抵抗を続けます。そして、船は沈みます。どこの集団・組織でも聞く、人類史上ずーっと「あるある」のことです。
では、どのように変革をもたらすのか?― 理論だけではなく、まさにここに研究されている段階を追ったアプローチが重要となってくるのでしょう。
(*)英語力が乏しいためノロノロと順次、テクノロジーの力を借りつつ整理しておりますが、毎号素晴らしい学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、Blogをきっかけに、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。