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法務部・弁護士が「語彙」を変えるだけで「対立」を解消できる説が発見される[1/3]丨HBR2025年11-12月号の掲載論文

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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

「語彙」を変えるだけで「対立」を解消できる説丨一緒に学ぶ論文はこちら

Julia A. Minson, Hanne K. Collins and Michael Yeomans (2025). A Smarter Way to Disagree: It’s what you say, not what you think, that matters, Harvard Business Review, 103(5), 108-115.

「語彙」を変えるだけで「対立」を解消できる説丨全体像丨わかりやすくまとめてみる

<わかりやすくまとめてみる>
今回は、弁護士・法務部門にどうしても丁寧にお伝えしたい名論文なので、ドラえもんの力をお借りします。
 * * *
しずか「もう、ドラちゃん聞いてよ! 今日の合唱コンクールの練習も最悪だったの。男子たちったら『めんどくせー』って全然口を開けてくれなくて……。私、みんなで金賞を取りたいだけなのに、どうして気持ちが伝わらないのかしら」

ドラえもん「あぁ、あるあるだねぇ。でもしずかちゃん、もしかして『心の中で願っていれば、いつか男子も分かってくれる』なんて思ってない? 実はこのHBR論文によると、それが全ての空回りの原因なんだ」

しずか「えっ? 気持ちを込めるだけじゃダメなの?」

ドラえもん「うん。対立を解決してクラスをまとめるには、気持ち(マインド)よりも『具体的な言葉選び(スキル)』が重要なんだ。まるで合唱のハーモニーを作る手順と同じだよ!」

ドラえもん「しずかちゃんがいくら心の中で『男子にも歌ってほしいな(共感)』と願っていても、それは口に出して『音(言葉)』にしない限り、相手には1ミリも届かないんだ。 『相手の心は読めない』というのが科学の鉄則さ。指揮棒を振るだけじゃなくて、ちゃんと具体的な指示を出さないと、音楽は始まらないのと同じだよ」

しずか「でも私、言ってるわよ? 『もっと真面目にやって!』って」 

ドラえもん「それが危ないんだ。しずかちゃんは『励まし(意図)』のつもりでも、やる気のない男子には『また委員長がガミガミ言ってるよ(認識)』っていう不快なノイズ(雑音)にしか聞こえていないんだ。これが『意図と行動のギャップ』さ。このズレが、クラスの雰囲気をどんどん悪くしちゃうんだよ」

ドラえもん「感情でぶつかるアドリブはやめて、心理学的に正しい『楽譜(言語戦略)』通りの言葉を使うんだ。 『なんで歌わないの!』って怒る代わりに、こう言ってみて。 ①『ねえ、男子のパートって難しいの?(好奇心)』 ②『練習ダルいのは分かるわよ(承認)』 ③『でも、ここが決まればカッコいいと思うの(共通点)』 ……この手順で話しかけるだけで、不思議と男子の心のガードが下がって、声が重なり始めるはずだよ!」

しずか「なるほど……。私、男子の気持ちも聞かずに、一方的に自分の『正しさ』だけをぶつけていたかも。それじゃあ不協和音になるわよね」

ドラえもん「そうそう! 相手を変えようとするんじゃなくて、しずかちゃんの『使う言葉』を変えるだけでいいんだ。さあ、明日の練習でさっそく試してみて!」

全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。

「語彙」を変えるだけで「対立」を解消できる説丨個別丨本日のポイント

観察不可能な「共感」の限界と「言語的行動」への転換

従来の紛争解決や建設的な反対意見の表明においては、「相手の立場に立つ」「共感を持つ」「判断せずに聞く」といった内面的な精神プロセスが重視されてきた。

しかし、本論文によれば、10年間に及ぶ著者らの実験と研究は、他人の心を読むことができない以上、思考や感情(Think and Feel)だけでは対立の結果に限定的な影響しか与えないことを示している。重要なのは、精神状態を相手が認識可能な「観察可能な行動」、すなわち「言葉(言語的行動)」に変換することである。

実際に、オンラインプラットフォームを通じて募集した1113人の米国人を対象に行われた研究では、採用方針について反対意見を持つ相手へのメッセージ作成において、「具体的な言葉遣い」の指導を受けたグループは、「相手の視点を考慮する(共感)」よう指導されたグループよりも、対立相手から客観的で知的であり、信頼できると評価された。組織は、不可視のマインドセットではなく、具体的かつ測定可能な「言語的行動」の修正にトレーニングの焦点を移すべきである。

「語彙」を変えるだけで「対立」を解消できる説丨30秒考えてみよう。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。