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ライアン・ゴールドスティン弁護士(クイン・エマニュエル)「良い循環は⋯『YOU メッセージ』から『I メッセージ』への言い換え」丨メモしたい、法務の言葉

1. コーナーの狙い

Problem Statement (問題の所在)

法務部員・組織内弁護士は、不確実性が高まる環境の中で、社内のクライアント(依頼者、経営者、事業部門など)の意思決定を十分な情報に基づいて支援する役割を担います。 しかし、日々の業務で何をすべきか迷うときもあります。

ソリューション

定期的に、法律雑誌などで見つけた「珠玉の言葉」を紹介します。 ノートやスマホにメモすることで、自分を鼓舞したり新しい気付きを得るきっかけになることを期待しています。

想定する読者

法務部門の方(とりわけ組織内弁護士・インハウス弁護士)、外部弁護士の方、ロースクール生・司法修習生の方

2. 今回の「メモしたい、法務の言葉」

良い循環は⋯『YOU メッセージ』から『I メッセージ』への言い換え

ライアン・ゴールドスティン弁護士(クイン・エマニュエル)

ライアン・ゴールドスティン「謙遜も卑下もせず、自らの実力は適正に評価する」ビジネス法務2025年4月号128-129頁

このコーナーでも2回目の紹介となる私も毎回楽しみにしているゴールドスティン先生(5日お話を直接伺ってみたい!)の執筆された全文はビジネス法務の4月号をどうぞご高覧ください。

3. 中堅組織内弁護士による分析(個人的な考え)

ライアン・ゴールドスティン弁護士(クイン・エマニュエル)の記事は、毎回、勉強になりビジネス法務でも最初に開いてしまう連載の1つです。

きっと、クイン・エマニュエルの先生方の高いレピュテーションの源泉の秘密であり、先生とは面識がないものの、きっと、書いてあることと言行一致しているから書ける内容なのだと尊敬しております。

今回の「良い循環は…『YOU メッセージ』から『I メッセージ』への言い換え」というご示唆には、私も大いに賛成です。具体的には「あなた(事業部、外部弁護士含む)に◯◯してください」と直接要求するより、「私は◯◯してくれると嬉しい」という表現に変えることで、相手への感謝や柔らかな印象を伝えられることは、大きな学びであり、大切なルールの言語化でした。

今後、ホスピタリティのあるメールを起案するときには、ぜひこの「I メッセージ」を意識したいと感じました。

アカデミックな裏付けもあり、心理学者トマス・ゴードンが提唱した「Iメッセージ(I-Message)」の概念に基づくと、対人コミュニケーションにおいて自分の感情や期待を「私は〜してくれるとありがたい」という形で伝えることで、相手への批判や命令口調を避け、互いの信頼を高め合う効果があることが実証されています。

<ゆる募>「お悩み相談箱」

法務部員・組織内弁護士としての大切なことや日々の悩みは、誰かに話すだけでも心が軽くなるものです。もし「取り上げてほしい」「ちょっと聞いてほしい」と思うことがあれば、どうぞ遠慮なくメールフォームからお寄せください。いただいたご相談は、できる限り丁寧に目を通し、少しでもお力になれればと考えています。

なお、法律相談に関しては直接対応いたしかねますので、お近くの法テラスにご相談ください。それ以外のお悩みや想いは、いつでもお待ちしております。あなたの声が、きっと誰かの力にもなります。

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[リーガルリスクマネジメントの教科書とは?]

リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版)は、2023年に出版された教科書です。リーガルリスクマネジメントという臨床法務技術を独学で学んでいただけるよう、心をこめて作成いたしました。きっと喜んでいただけると思います。

渡部友一郎『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版、2023)

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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