年末年始ノート(1)丨あ、Airbnb法務チームでやってよかったと今思うツール「TKI心理アセスメント」―2024年から2025年へ

読者の皆さま、2024年も大変お世話になりました。そして、2025年もご指導ご鞭撻をどうぞよろしくお願いします。2024年の多忙を理由にタイムリーに皆様にシェアできなかった内容を1つ1つ短くお届けしてまいります。皆様の2025年のアイデアやお取り組みのお役に立てば幸いです。

今回は、どこかでシェアしたと思いながら、書き溜め「箱」の奥底に沈んでいたままのチームビルディングツールです。

チームビルディングを変える!「TKI」アセスメントで見えた新たな可能性

こんにちは、皆さま。今回は、先日参加したアジア太平洋リーガルチームのオフサイトミーティングで使用した、画期的なツール「TKI(Thomas-Kilmann Conflict Mode Instrument)」をご紹介します。このツールは、チームビルディングを深めるだけでなく、メンバー同士の理解を促進し、信頼関係を築く上で非常に有益でした。

「TKI」とは?

TKIは、コンフリクト(対立)をどのように扱うかについて個々のスタイルを評価するアセスメントツールです。対立の場面での行動を「アサーティブネス(自己主張)」と「協力性」という2つの軸で捉え、次の5つのモードに分類します:

  1. 競争(Competing): 自己の利益を最優先にし、他者の利益を犠牲にしてでも目的を達成する行動スタイル。
  2. 協働(Collaborating): 双方の利益を最大化するために協力するスタイル。
  3. 妥協(Compromising): お互いの主張を部分的に満たしながら妥協点を探るスタイル。
  4. 回避(Avoiding): 対立を避けるか、先送りにするスタイル。
  5. 譲歩(Accommodating): 自分の主張を控え、相手の利益を優先するスタイル。

この評価をもとに、どのモードが自分にとって自然であり、どのモードがあまり使用されないかを知ることができます。どのモードも適切な場面で効果を発揮するため、すべてのスタイルに価値があります。

オフサイトでの活用とその成果

今回、私たちのリーガルチームでは、メンバー全員がTKIを事前に受け、その結果をシェアしました。このプロセスを通じて、それぞれがどのようにコンフリクトに対応するのかを理解し合うことができました。

たとえば、「競争」のスコアが高いメンバーは決断力や強いリーダーシップを発揮する場面が多い一方で、「協働」のスコアが高いメンバーは問題を解決するために相手と共同作業を進める傾向があります。これらの結果を共有することで、異なるアプローチが生む相乗効果について話し合い、互いの行動スタイルに基づいた新しいコミュニケーション方法を構築することができました。

特に印象的だったのは、チーム全体で信頼関係を構築し、自分の結果をオープンに共有するプロセスです。このシェアリングは、チームメンバーが自分の強みと弱みを理解するだけでなく、他のメンバーがどのように問題を捉え、解決しようとしているのかを学ぶ絶好の機会となりました。私も皆様と個別にお話をする機会は、ぜひ自分の特性についてはシェアをしたいのですが、私もある傾向が他の方よりも強く、確かに振り返ると対立が生じたときにこのような形で振る舞ってしまうなと言う考えました。それが良い悪いではなく、日本文化にぴったりとあったものである一方、外資系企業のディスカッションを歓迎すると言う環境の中で、私自身が無意識の中でバリアを張っていたところでもありました。この日本文化の見えない自分で課した「縛り」を突破できたのが2024年でした。

なぜTKIがチームビルディングに効果的なのか?

  1. 信頼の構築: 各メンバーが自分のスタイルを開示することで、他者への理解と信頼感が深まります。
  2. 効果的なコミュニケーション: 異なるスタイルを知ることで、どのように対話を進めるべきかが明確になります。
  3. チームの多様性を活用: 異なるモードの強みを活かして、よりバランスの取れたチームワークを実現します。

最後に

このようなツールを活用することで、チームの関係性が大きく進化する可能性を実感しました。TKIは単なるアセスメントではなく、チームメンバー全員が互いに学び合い、成長するための出発点となります。

もしあなたのチームでも、信頼関係を深め、より良いコミュニケーションを築きたいと考えているなら、ぜひ一度TKIを試してみてください。新しい発見と可能性が待っているはずです!

[関連記事]

近況

***

過去の論説一覧はこちら

関連する論説などを掲載したリサーチマップ(外部サイト)はこちら


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

渡部推薦の本丨足りない、は補えばいい