【日曜朝連載】ゾンビ名詞を避ける-特に動詞に変換できる -ion 語丨名著精読!『Legal Writing in Plain English』第16回

問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]

Problem Statement (問題の所在)「英文契約書は好きでない」「法律英語が上達しないのはなぜ」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。

ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain Englishガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。

想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様

読了により、得られる情報

ガーナー教授の教科書は、まず、「すべての法律文書に共通」する合計20のルールを与えてくれます。20のルールは、わかりやすく「3つの箱」に分類されています。今回の鍵は下記ハイライト部分に関するルールです。

第1部:すべての法律文書における原則
1. 思考の枠組み
2. 文章のフレーズ
3. 言葉の選択

目次 Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

[No.15/計20]ゾンビ名詞を避ける-特に動詞に変換できる -ion 語

メモ

ガーナー教授は、法律文書でわかりやすい表現にするために「ゾンビ名詞」(nominalizations)と呼ばれる抽象名詞(abstract nouns)を減らすことを提唱します。具体的には、「-ion」が付く名詞を動詞に置き換えることで、文章をシンプルで行動を起こす主体が明確にすることができます。

例えば、「法令に違反していた」(was in violation of)ではなく「法令を違反した」(violated)と表現します。[注目:「-ion」が付く名詞を動詞に置き換えている]

このように、ゾンビ名詞を減らすことで、法律文書が引き締まります。先生の教科書には様々な「よくあるゾンビ名詞」が指摘されており、ぜひご自身でご確認ください。

ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―

Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

現在・将来、英文の法律文書を扱う法律家・法務部員の方は必携です(Amazonを見る

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(了)

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