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【日曜朝連載】法律家は、重要な箇所を、無意識に「過剰な定型性や冗長表現」で飾る丨名著精読!『Legal Writing in Plain English』第14回

問題の所在+ソリューション[各連載回に共通]

Problem Statement (問題の所在)「英文契約書は好きでない」「法律英語が上達しないのはなぜ」「欧米弁護士の思考で英語の法律文書が書けない」― 法律英語のライティングの悩みは日本の法律家に共通します。私も、です。

ソリューション 2022年、Airbnb法務部の研修で、魔法のような体験がありました。名著『Legal Writing in Plain Englishガーナー教授から直接学ぶ機会があったのです。「できなかった」理由がすっと理解できました。そこで、毎週1記事、名著を「分析」し、一緒に(同期やライバル達よりも)法律英語に少しだけ強くなっていきませんか? ― 精読して蓄えていきましょう。

想定する読者 法律家・法務部門・司法修習生/ロースクール学生の皆様

読了により、得られる情報

ガーナー教授の教科書は、まず、「すべての法律文書に共通」する合計20のルールを与えてくれます。20のルールは、わかりやすく「3つの箱」に分類されています。今回の鍵は下記ハイライト部分に関するルールです。

第1部:すべての法律文書における原則
1. 思考の枠組み
2. 文章のフレーズ
3. 言葉の選択

目次 Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

[No.13/計20] 法律家は、重要な箇所を、無意識に「過剰な定型性や冗長表現」で飾る

メモ

ガーナー教授は、格式張った言葉(pretension)、官僚語(officialese)、堅苦しい定型文(”stiff formulas”)に対する警戒を促しています。重要なのは、本質的に「人間らしい」コミュニケーション(”human communication”)であると説きます。

平易な言葉、直接的な表現、能動的な声を選ぶことで、読み手に対し、誠実さ(sincerity)と信頼性(reliability)を伝えることができるのです。

私達は、「重要」と感じる際に無意識に「過剰な定型性や冗長表現」(hyperformality and verbosity)を用いてしまいます。しかし、重要な部分こそ、よりシンプルで心に響く言葉を使うべきです。機械的ではなく(not like a machine)、生身の人間としての温かみ(warmth)と個性(personality)を文章に反映させることが、より良いコミュニケーションに繋がると結論づけています。

ガーナー教授の教科書(第3版)―敬意をもって強く推薦―

Garner, B. A. (2023). Legal Writing in Plain English, Third Edition: A Text with Exercises. Chicago: University of Chicago Press.

現在・将来、英文の法律文書を扱う法律家・法務部員の方は必携です(Amazonを見る

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(了)

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