法務部に丸投げする事業部にイライラ丨リーガルリスクマネジメントの教科書みんなの相談室(1)丨営業時間 火曜朝

1. 本日の相談室(火曜日朝のみ営業)

法務部員の方

渡部先生、相談があります。

相談内容 事業部の一部ですが、ビジネスの意思決定を含む判断を法務部に丸投げしてくることに、日々の業務において大きなストレスを感じています。具体的な意思決定を避け、法務部の私たちに押し付けるこの状況は、業務の効率を低下させていますし、何より責任の所在が法務に転嫁されているように感じます。この一方的な依存関係を改善し、より協力的な関係を築くためのアドバイスをください。

わたなべ

共感 はじめに、このような状況は、あなたお一人の問題にとどまらず、きっと周りの法務部同僚もそのように感じており、ストレスを感じやすいお辛い状況であると思います。同時に、私含め、読者である法務部門の方は「あるある」として、同様のストレスに直面したことがあるように、お気持ちは正当であると考えます。私達法務部門は、ボタンを押したらガラガラ必要な答が出てくる「自動販売機」ではありませんし、なにか「やってもらってあたりまえ」的なところにもイライラを感じていらっしゃるのかなと拝察しております。

私なりに心を込めた回答

  • 結論としては、どのような形であれ、組織的なビジネス上の「意思決定」の権限・責任を負う事業部門の担当者に対し、意思決定をしていただくようにします。
  • ただし、これは「自分で考えてください!!じゃあね!!バタン(ガチャガチャ[施錠])」という突き放すコミュニケーションではなく、あくまでも「Option Aには、XXXに示すリーガルリスク(特定→分析→評価→対応)があり、Option Bには、YYYに示すリーガルリスク(特定→分析→評価→対応)があります。事業部の〇〇さんはどちらにされますか?」と選択肢を示して、それを取っていただきます。
  • 仮に、「決められません」「法務で決めてください」と返事がきたら、「(無理っす、なので)依頼者のチーム内で又は上司と相談してビジネス上の意思決定をしてくださいませ(意思決定に際して不足している情報があればいつでも追加でお知らせください。)」とやんわりとお断りします。
  • それでも埒が明かないようなケースでは、法務部門の上司に速やかに相談をあげて、当該担当者の上長に対して、意思決定を促すようにアプローチするのが穏当と思います。

しかし、イライラは盲点を作り出します。

一歩下がって、少し相手の気持ちを想像してみるのも有効な手立てです。―事業部の方のgood intention(良い意思)をAssume(仮定)することを私は個人的におすすめしています―。

  • 事業部には法務に対する悪意があったり貴方を困らせるために言っているのではなく、きっと意思決定が不安であったり、何か背中を後押ししてほしい場合があります。
  • 教科書P132に記載した「帽子をつかいわける」という技術で、事業上のアドバイスと法務上のアドバイスとをクリスタルクリアに切り分けて、素晴らしいサポーターになりましょう。きっと喜んでいただけると思います。

皆様は何かさらに効果的なアドバイス・対処法をご存知でしょうか?

教科書該当箇所 渡部友一郎『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書130-132頁(日本加除出版、2023)

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<後日更新いたします>

[リーガルリスクマネジメントの教科書とは?]

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社会の前進を生みだす「イネーブル法務」に生まれ変わること間違いなし
 -門奈 剣平 氏(株式会社カウシェ 代表取締役CEO)
DeNA 時代から「事業部の懐刀」であった戦友の手紙だ
 -大見 周平 氏(株式会社Chompy 代表取締役)

(※順不同:肩書は2023年2月時点:個人の見解です)

https://www.kajo.co.jp/c/book/07/0701/40940000001

(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。

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