Haijian Si, Christoph Loch, and Stelios Kavadias (2023). A New Approach to Strategic Innovation: A tool for connecting your projects with your goals, Harvard Business Review, 101(5), 120-129.
- マネージャーの快適ゾーンからの脱却
- 論文で説明したプロセスは、すべてのマネージャーにとって快適ではない。
- アイディア生成のワークショップや戦略議論では、専門外の意見や上司に対する建設的な議論が必要。経営者たちは、同僚からの挑戦を受け入れる姿勢が求められる。
- 機能部門の文化変革
- KPIターゲットを満たしている機能部門は、相対的に独立していることが多い。
- しかし、バスケットプロセスを最大限に活用するためには、各機能部門が他部門との優先順位を明確に交渉する必要がある。
- 例: マーケティング部門とR&D、製造やサービスグループとの交渉。
- このような交渉のための行動は、単に命じられるだけでは不十分。学習が必要。
- マネージャーの決定と行動に関する傾向
- マネージャーは「決定してから行動する」プロセスを好む傾向がある。
- しかし、提案されたプロセスが機能するためには、上層部の管理者は「決定してから行動する」ことを行ってはならない。企業の戦略とイノベーションの関連をKPIに矮小化することは、組織の対応と変化の能力を損なう。
- 行動の源泉
- イノベーションプロジェクトの整合プロセスは、単に意思決定を助けるだけでなく、行動の意欲と準備を育てる。
イノベーション・バスケット・プロセスの効果
- このプロセスは、イノベーション活動が戦略に対して何をしているのかをマネージャーに明示的に示す。
- 伝統的なポートフォリオアプローチの一般的なリスク-リワード基準は、多くの洞察を生み出す可能性が低いため、上層部のマネージャーが持つべき議論を刺激しない。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
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ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読んでおります。後日、講演や文献で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。次に、興味深く読み進めたのが『イノベーション』をより分析的に生起させるための枠組みを論じた論文でした。
なお、英語力に乏しく、自身の理解に限界があるため、必ず、ご自身で原典をご購読・ご精読いただけたら幸いです。