Haijian Si, Christoph Loch, and Stelios Kavadias (2023). A New Approach to Strategic Innovation: A tool for connecting your projects with your goals, Harvard Business Review, 101(5), 120-129.
1. イノベーションプロジェクトの標準化問題
- 企業はイノベーションプロジェクトをポートフォリオとして管理するが、標準化された目的に偏っている。多くの企業が、財務からの考え方を借用して、プロジェクトの多様性がリスクを減少させると捉えている。
2. 中国企業の調査結果
- 中国の75の企業を対象に調査した結果、競争的目標とプロジェクトの選択を明確に関連付けた場合、イノベーション活動の貢献が大幅に向上することが確認された。
- 新しい戦略的イノベーションツールキットは、5つの企業の10のビジネスユニットでのテストが成功した。
3. 戦略的整合性の構築
- 戦略的イノベーションツールキットは、企業がイノベーションプロジェクトを戦略的目標に関連付けるのを助けるもの。
- マネジメントチームの半数近くで、企業戦略の理解がばらつきがある。3WIHフレームワーク(下図参照)を使用して、戦略的な位置づけを共有する。
4. イノベーションバスケットの作成
- イノベーションプロジェクトを「バスケット」としてカテゴライズする新しい方法を提案。
- バスケットの上段には、イノベーション目標としての変更ニーズをリストし、左側の列には、プロジェクトが価値を追加するビジネスモデルの部分を特定。
5. バスケットの評価と調整
- 既存のイノベーションプロジェクトをバスケットに配置し、整合性があるか評価。
- 戦略と整合性がないプロジェクトは削除し、新しいプロジェクトを追加。
6. 数値の導入
- バスケットの評価後、具体的な目標を設定(例:コスト削減10%、新製品のローンチ数など)。
- この段階では、過度な最適化や標準的な指標に依存することなく、プロジェクトの選択や評価を行う必要がある。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
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ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読んでおります。後日、講演や文献で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。次に、興味深く読み進めたのが『イノベーション』をより分析的に生起させるための枠組みを論じた論文でした。
なお、英語力に乏しく、自身の理解に限界があるため、必ず、ご自身で原典をご購読・ご精読いただけたら幸いです。