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知ってた?「Facebook=”いいね👍️”の発明者」ではないことが判明[3/3]丨HBR2025年5-6月号の掲載論文

火曜日・金曜日は集まれ! #法務のみんなで一緒に前進

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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

一緒に学ぶ論文はこちら

Martin Reeves and Bob Goodson (2025). What the Like Button Can Teach Us About Innovation – The process is more accidental than people think, Harvard Business Review, 103(3), 70-78.

全体像丨わかりやすくまとめてみる

<わかりやすくまとめてみる> 本論文は「校庭で自然発生したハイタッチ文化 🙌」にたとえると分かりやすいと思います。あるクラスが試合後に「ハイタッチ」を始めると、別のクラスでも同じ動きが起こり、学年を越えて「ハイタッチ」が広まりだし、最終的には全校イベントでも公式に「ハイタッチ」が採用される。この流れが「いいね」ボタン誕生の実相を映しています。 まず、「ハイタッチ」は特定の一人が考案したわけではなく、あちこちで同時多発的に生まれました。次に、当初は気軽なコミュニケーション改善にすぎなかった「ハイタッチ」が、クラスメートの一体感を高め、学校行事の盛り上がりを支える主役に成長しました。最後に、「ハイタッチ」文化を定着させた先生たちは、まず小規模な学級イベントで試し、反応を測定し、想定外の良い効果を見逃さずにルールを柔軟に調整しました。ここから学べることは、(あなたの)組織・企業も同様に、①顧客視点のデータ計測、②早期プロトタイプ投入、③意図しない結果の活用、④社内外の多様な知恵の結集、⑤方針を暫定と捉える姿勢を取ることで、不確実な時代に「次のハイタッチ 🙌」を育てられると論文は示唆しています。多分。

個別丨本日のポイント

そして、本論文は、単に「いいね👍️」ボタンのトリビアで終わることなく、HBR論文として、企業が取るべき「5つの実践指針」の提唱に至ります。

  1. 外部指向の計測:会議議事録中の顧客・競合キーワード出現数を定量化し、Genpact のように経営陣が顧客接点へ時間を割く。
  2. 早期小規模実験:ソフトウェア企業の事例では、分析の精度より実装回数が成功確率を左右する。
  3. 意図せぬ結果の受容と粘り強さ:FriendFeed で効果が実証されるまで Facebook が数年かけたように、継続的反復が価値を増幅させる。
  4. 社会的プロセスの活用:Recruit は社内新規事業コンテスト「Ring」で全社員を挑戦者とし、認知スタイルの多様性を担保する。
  5. 管理と柔軟性の両立:Walmart の Tom Ward は「完璧を狙うより出して回す」と語り、Alibaba も「市場変化に合わせ常に進化」と社内で明言する。平均値より異常値に注目し、現行方針を暫定と位置付けることで、組織は AI 時代の不確実性を機会へ転換できる。

30秒考えてみよう。

  • 皆さんはどう思われますか?
  • 組織内弁護士・法務部として「企業内」で活用できる場面はありそうでしょうか?
  • この論文をシェアしたら喜びそうな事業部の方はいらっしゃいますか?(Web版は月1−2記事無料で読めるので、探してシェアしてみてはいかがでしょうか?)

HBRの定期購読のおすすめ

毎号、自宅のポストに届くのを心待ちにしています、下記は最新号の表紙です。ビジュアルも大変美しいです。 / I strongly recommend/encourage your subscription to the esteemed HBR. It’s truly meaningful.

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。