
書誌情報
渡部友一郎「Airbnbで学んだ法務時間術6つの金貨(5) 疑え、法務部の複数名が招待された会議」ビジネス法務2025年9月号(2025年)69頁
法務部員・組織内弁護士向けのまとめ
会議に法務部員が3人以上招かれる場合は時間浪費の警告と捉えましょう。本稿では、会議単価を掛け算で可視化し、参加者を最小化するAirbnb流の「唯一担当制」と欠席容認のカルチャーを紹介します。社内会議白書のデータを踏まえ、人数×時間で損失を算出する思考法を示し、無駄な会議の削減を提案します。
法務部員・組織内弁護士のNext Step
会議単価を算出し「唯一担当」を指名する 会議の一斉招待が届いたら、議題×参加人数×予定時間で総時間コストを計算し、出席価値を数値で判断します。担当を1人に絞り、主催者にゴールと役割を確認のうえ他メンバーは欠席とし、議事録で共有する仕組みを徹底しましょう。会議時間の重複を根本から削減できます。
欠席を許容する信頼カルチャーを築く 担当者は会議後24時間以内に3行サマリーと次のアクションをチームへ共有し、透明性を確保します。残るメンバーは即座にフィードバックを返し、担当者をバックアップ。出席=貢献という思い込みを手放し、「情報は共有し、時間は節約する」という共通認識を根付かせることで、法務全体の生産性と主体性を高めます。
おわりに
会議を依頼する事業部や依頼者の意図は、決して悪意ではなく「念のため幅広くリーガルの意見を聞きたい」という配慮による場合がほとんどです。招待を受けた際には、まず担当者間でスラックやメールを通じて簡単に打ち合わせ、1人の出席で足りるかを判断しましょう。そのうえで、主催者が複数名を招いた理由(たとえば専門分野の確認や決裁スピードの確保など)を確認し、目的に合った最小人数へ調整する姿勢が肝心です。
このひと手間を加えるだけで、会議コストを抑えつつ依頼者の期待にも応えられます。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
法務部・弁護士(インハウス弁護士・組織内弁護士)向けの法務専門誌「ビジネス法務」(中央経済社)にて、全6回の連載を担当させていただくことになりました。まだまだ組織内弁護士や法務部員として研鑽中の身ではありますが、時間の捉え方・管理に関して、小さな気づきやヒントをお届けできるよう努めてまいります。