
1. コーナーの狙い
2. 今回の「メモしたい、法務の言葉」
「平時においては社外取締役の効用は不明⋯だが、今の日本の状況下では、企業の経営方針の大転換のために⋯推進役⋯監督者として、重要な立場にある」
中村直人弁護士
中村直人『ガバナンスを語る』(2025年、商事法務)180頁
3. 中堅組織内弁護士による分析(個人的な考え)
上記でご紹介した中村直人先生の新刊を早速拝読しました。先生の豊富な知識と経験を踏まえ、本書ではガバナンスの基礎から「経営にとって最も大きなリスクは何か」、そしてそのリスクを踏まえて取締役、とりわけ社外取締役が果たすべき役割までが詳細に論じられています。
ここでは十分に紹介しきれないほど多層的な文脈が示されているため、ぜひ実際に手に取ってご確認いただきたいのですが、昨今の社外取締役ブームの背景にある歪みについても正面から議論されている点が印象的でした。リーガル部門や組織内弁護士の方々はもちろん、多くの経営者にとっても示唆に富む一冊だと感じています。
<ゆる募>「お悩み相談箱」
法務部員・組織内弁護士としての大切なことや日々の悩みは、誰かに話すだけでも心が軽くなるものです。もし「取り上げてほしい」「ちょっと聞いてほしい」と思うことがあれば、どうぞ遠慮なくメールフォームからお寄せください。いただいたご相談は、できる限り丁寧に目を通し、少しでもお力になれればと考えています。
なお、法律相談に関しては直接対応いたしかねますので、お近くの法テラスにご相談ください。それ以外のお悩みや想いは、いつでもお待ちしております。あなたの声が、きっと誰かの力にもなります。
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[リーガルリスクマネジメントの教科書とは?]
『リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版)は、2023年に出版された教科書です。リーガルリスクマネジメントという臨床法務技術を独学で学んでいただけるよう、心をこめて作成いたしました。きっと喜んでいただけると思います。

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
Problem Statement (問題の所在)
法務部員・組織内弁護士は、不確実性が高まる環境の中で、社内のクライアント(依頼者、経営者、事業部門など)の意思決定を十分な情報に基づいて支援する役割を担います。 しかし、日々の業務で何をすべきか迷うときもあります。
ソリューション
定期的に、法律雑誌などで見つけた「珠玉の言葉」を紹介します。 ノートやスマホにメモすることで、自分を鼓舞したり新しい気付きを得るきっかけになることを期待しています。
想定する読者
法務部門の方(とりわけ組織内弁護士・インハウス弁護士)、外部弁護士の方、ロースクール生・司法修習生の方