『ご注意!なんちゃって”データに基づく意思決定”(3/3)』丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年9−10月号

「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

データに基づく意思決定!―かっこいい響きです。本論文は、データに基づく意思決定に潜むビジネスリーダーの誤りを鋭く指摘します。法務から経営法務人材にアップレベルを目指す方々必見。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Angus Dawson and Katy George (2024), New Rules for Teamwork, Collaboration is more complex than ever—and more difficult to get right. Here’s how organizations can build better teams, Harvard Business Review, 102(5), 44-50.

重要ポイント[3/3]: 適切なアウトカムの選定と結果の一般化の慎重な判断

筆者らの研究によれば、次に多い誤りが、データ分析において、「アウトカムの適切性」(appropriateness of the outcomes)を評価していないことである。多くの場合、簡単に測定可能なアウトカムに焦点を当てがちであり、実際のビジネス目標に直結するかは見落とされがちである。

例えば、賃金引き上げに関する研究で、コスト増加(cost increase)は容易に測定される一方で、生産性や離職率の改善効果(improvements in productivity and turnover)は見過ごされやすい

ナタリア・エマニュエルとエマ・ハリントンの研究では、ある大手オンライン小売企業の倉庫労働者の賃金引き上げが生産性向上離職率低下をもたらし、賃金増加分を相殺する効果があることが示された。

また、筆者らは、結果の一般化に関しては、ある状況下での結果が他の状況にも適用可能か(generalizability)を慎重に判断することが求められると説く。Googleの学歴と職業成果に関するコメントを鵜呑みにして、他の企業が同様の採用方針を適用することのリスクを再考することが重要であると述べている。実証データの結果が他の文脈でどの程度適用可能かを検討し、それが意思決定に及ぼす影響を慎重に評価する必要がある。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

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