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(製造業の不正発覚に対し)倉橋雄作弁護士「守れないルールやめよ」丨リーガルリスクマネジメントの教科書 メモしておきたい言葉

1. 本日のピックアップ

出典 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO78181780S4A200C2TCT000/

倉橋雄作弁護士「守れないルールやめよ」」

日本経済新聞2024年2月5日朝刊「守れないルールやめよ 弁護士 倉橋雄作氏」

守れないルールやめよ!に心から賛成です。

しかし、現実には、社内ルール・基準をアップデートするには、膨大なエネルギーが必要です。なぜなら、ロックイン効果が働いているからです。

この点、法務部門・コンプラ部門に強く働いている「現状維持(またはルールを厳しくする方向が評価される)」状況すなわちkeep status quoの力もなんとかせねばと思います。そのためには、どれだけ現場にあったルールに改訂したのか、という点で改訂が評価されるようなインセンティブや心理的安全性が必要と思います。 担当者として、「緩和して」結果何かあったら自分の責任になるのであれば、 法務・コンプラ担当者としてはルールを緩和するインセンティブがまったくないためです。

往々にして、法務・コンプラ担当者としてはルールを緩和する「エビデンス」を利益を享受する事業部門側へ求めがちです。事業部門にすれば、そんな作業につきあっても営業成績や部門の成果、納期、まして自分自身の評価につながるわけでもありません。結果、ルール改定のためのエビデンス・立証責任を(法務・コンプラ部門が)現場に転嫁している時点で、ルールは現状のまま放置されるkeep status quoの力を受けているといえます。

制度には慣性が働き、疲弊していきます。疲弊すると何かギシギシと問題がでてきます。その際に、対処療法ではなく、ルール(という真の病巣)まで見直せる組織・チームになっているかが、法務・コンプラ部門の管理職の力の見せ所ではないでしょうか。

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(※順不同:肩書は2023年2月時点:個人の見解です)

https://www.kajo.co.jp/c/book/07/0701/40940000001

(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。

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