5年連続受賞の御礼・ご報告:ALB Japan Law Awards 2022

1. ご報告

6月2日夜、ALB Japan Law Awards 2022の最終受賞者が、ザ・リッツ・カールトン東京にて発表。3年ぶりの対面方式となったセレモニーでは、各賞の最終選考に残った数名から1人の受賞者が選ばれます。Airbnb Japan及び個人として5年連続の受賞(個人で調べた限り、インハウス部門では日本史上初、多分)がかかっていた2022年。

結果は…おかげさまで、想像もしていなかった「Innovative In-House Team of the Year 2022」「Technology, Media and Telecommunications In-House Team of the Year 2022の二冠でした。

2018、2019、2020、2021、2022年(4部門7冠)と年を書き出してみるとその1年1年にとてつもない重みがあります。感無量…深く深くお礼申し上げます。

1-1. 5年間の歩み

年度賞の名称日本語仮訳
(1)2018In-House Lawyer of the Year 2018(youngest to receive)年度最優秀インハウス弁護士賞(最年少受賞)
(2)2018Most Innovative In-House Team of the Year 2018年度最優秀イノーべーティブ法務賞
(3)2019Technology, Media and Telecommunications In-House Team of the Year 2019テクノロジー・メディア・情報通信分野年度最優秀法務賞
(4)2020In-House Lawyer of the Year 2020(the first Japanese to win twice)年度最優秀インハウス弁護士賞(二度目の受賞は日本人初)
(5)2021Young Lawyer of the Year 2022 (In-House)年度最優秀若手弁護士賞(インハウス)
(6)2022New Most Innovative In-House Team of the Year 2022年度最優秀イノーべーティブ法務賞
(7)2022New Technology, Media and Telecommunications In-House Team of the Year 2022テクノロジー・メディア・情報通信分野年度最優秀法務賞
Profileから再掲

1-2. 本年の結果

Innovative In-House Team of the Year
    
Accenture
Airbnb Japan
Bayer
GlaxoSmithKline
IBM
Tokio Marine Holdings

Technology, Media and Telecommunications In-House Team of the Year

Accenture
Airbnb Japan
IBM
Rakuten Mobile

到底実現できるものとは思わなかった夢でもあった史上初5年連続受賞が叶った瞬間でもありました。夢は叶うこともあるだなぁ…と言葉になりませんでした。

改めて、感無量であり、随喜しております!

2. 御礼

まず御礼を申し上げます。浅学菲才の私が、1歩1歩、困難な旅を踏みしめ前進できたのは、恩師・先輩/同期/後輩、FBDやDeNAといった古巣の皆様、そして現・元Airbnbの同僚の皆様のおかげです。

3. 10年間計画ノート

次に、ノートに感謝です。28歳のとき、私は『最高の結果を出す戦略ノート』(*)と書かれた「30代/10年間」の計画を立てました。28歳の頃には「叶わないだろうな」と思った夢が、突然、努力が花開き、期せず叶ったことも多々ありました。

(*) ジョン・C・マクスウェル(訳 齋藤孝)『夢を実現する戦略ノート』(2005、三笠書房)は、東大法科大学院合格・司法試験合格・外資系法律事務所就職など人生の夢を叶える力をくれた個人として最も大切にしている本の1つで、もうかれこれ、17年伴走してくれています。 https://www.amazon.co.jp/dp/4837956602 

4. Airbnbでの気持ちの持ち方の変化

さらに、気持ちの持ち方の変化にも感謝です。Airbnbに入ってほどなく、悪いこと・失敗/恥・生来的な苦手なこと(脆弱性)含め全てが「旅なんだな」とembraceする(感謝し受け入れる)ようになりました。

私は物事の準備に時間をかける(かけないと不安になってしまう)人間です。

ずっとスローな学習者でした(例えば、2017年5月に始めたパーソナルトレーニング/筋トレの「ベンチプレス」という種目も、亀の歩みで、5年でやっと55kgのベンチプレスが95kgになり、未だ目指せ100kgです…)。

常々、普通の人のようにテキパキ決断/行動できたらと他人を羨ましく思うときがあります。「Yuichiroさんは活動が幅広いですね」と言われることがあるのですが、実は誤解で「準備に時間がかかる」(種を蒔いて花が咲くまでの時間が長い)ため、単に成果となって現れるタイミングが偶然重なっているだけなのです。得意分野もニッチで限られ、(外形的に)上手く行っていることのほぼ全てが、誰かが環境を整えてくださったこと、または、ご支援の上に華をもたせていただいたものです。

幻滅されるかもしれませんが、実際に単独・独力で成し遂げた成果はほぼ皆無です。

5. 持ち続けているミッション・信念

でも、パラメータが凸凹でもいいや、と最近はずっと思ってます。というのは、脆弱性が多いとはいえ、1つだけ自分でも褒められることがあり、それは、私自身の信念が1mmも変わらないことです。小学生の頃から弁護士の夢を追い続けたように、何度失敗しても、ノートに書かれた信念と自分とを比較して、諦めずに挑んでいることです。社会のため、とか崇高な目標ではなく、自分がこう在りたい、という自己願望でしかありません。

『(略)着想・達成欲・目標志向・社交性・学習欲の5つの強みを活かした最高のアドバイス(法律に限らない。)を提供し、多くの種を蒔き育て、心から喜んでもらえるAmazingな40歳になるため、注意深く、欺瞞なく、本物の努力を続けること。』

上記マクスウェル氏のアドバイスに従い、28歳のときに「40歳」という期限を入れたものの、上記ミッションの達成にはほど遠く、上記の理想と現実のギャップを埋めていく本物の努力をする「旅」を続けたいです。「努力!」なんて人前で言ったら、ダサくて笑われてしまうそんな令和の時代には、時代遅れの考えかもしれませんが、「自分 – 他人が与えてくださったもの」を計算すると、それしか残らない/できることがないので、できることにフォーカスしていきます。引き続きご指導ご鞭撻をどうぞよろしくおねがいします。

6. 失敗してもいい、夢を語ってもいい

最後に、後輩の方々にお伝えしたことが2つございます。弁護士になって13年、法律事務所で2年、日米のイノベーティブなスタートアップで10年以上働いて気がついた、私が弁護士としてovercome(打ち勝つ)ことができた「wrong assumption」(誤った思い込み)です。もっと早く気がつけばもっと成長できたかもですが、今思えば、これに気づく時間も失敗も「旅」でした。

  1. 弁護士だって失敗してもいい、大事なのは失敗からどれだけ早く学び成長するか。完全無欠で人生で100点以外をとったことがない人間は実在するかもしれませんが、多分、99.99%以上の人にとって失敗は日々日常茶飯事で共通の人間性です。脆弱性をミスを隠そうと無駄なことに注意力を使うよりも、いち早く、失敗から学ぶほうが楽しい。
  2. 弁護士だって夢を語ってもいい、その熱量により、より多くの方が支援してくれることがある(してくれないことももちろんある)。けど黙っていたらその夢は誰も助けられない。黙々と打ち込むのも素敵だけど、夢を語ると自然と熱い素敵な仲間が集って楽しい。

失敗をしないスタートアップ、夢を語らないスタートアップ…今まで見たことがありません。失敗は許されないという「wrong assumption」(誤った思い込み)があなたのgrowth mindsetを封殺しているかもしれません。

加えて、今のお仕事/生き方に悩みがあったり、自己像とのギャップに苦しんでいらっしゃたら、それは誰しもが抱える共通の人間の悩みですし、自己批判ではなく、セルフ=コンパッション(**)という科学的知見に基づく自分への接し方をぜひ学んでみてください。私もalways happy to helpです。

(**) セルフ=コンパッション https://www.amazon.co.jp/dp/4791110358/ 自己批判で自分を追い詰めて成長する方法は、受験では最適でも、不確実性の高く答えがない社会では学びの方法論としては最適解ではないと私は確信しています。

7. おわりに

以上、偉そうに色々書き連ねておりますが、こんな私の書いたものが、もしも世界のどこかの誰かに、どこか一行だけでも、なにかの支えやお役に立てば嬉しいです。

今後ともご指導どうぞよろしくおねがいします。

私がお役に立てることがあればいつでもお知らせください。Happy to helpです。

2022.6.2

渡部友一郎

P.S. 6月15日に後輩たちがさらに楽に楽しく遠くへ翔んでいけるための本第2段『法律英単語®Ⅱ 1000英文契約書編』が公刊されますので、ご興味があれば、ぜひこちら(外部ページ)からご高覧ください。いただいた印税は前作同様すべて法学の研究への寄付及び後輩たちへの献本に利用させていただきます。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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