新規論説丨渡部友一郎「組織内弁護士の金貨とAI ― 最後に問われる、日本語の壁なき世界の金貨」JILA19号4-9頁

このたび、日本組織内弁護士協会(JILA)の会報誌に寄稿する機会を頂き、上記の原稿が掲載されました。2025年に執筆した記事の中では特に多くのご意見を頂戴し、年代を問わず複数の先生方から「日本語という言語が参入障壁として機能している現状が、AIの進展によって変わり得る」との気付きがあった、との声をいただきました。昨年末から、会員の皆さまにとって新鮮で中長期的にも役立つテーマを検討しながら執筆した内容がお役に立てたようで、学びの途上にある身としては大変ありがたく感じています。今後も理解を深めつつ、協会の発展に貢献できるよう努めてまいります。

書誌情報

渡部友一郎「組織内弁護士の金貨とAI ― 最後に問われる、日本語の壁なき世界の金貨」JILA19号4-9頁

法務部員・組織内弁護士向けのまとめ

本稿は、生成AIが日本語という参入障壁を薄める未来を見据え、組織内弁護士の価値を再定義する試論です。Airbnbで培った実務経験を踏まえ、技術変化と国際人材との競争を概観し、AI協働・専門性深化・EQ向上という三つの戦略でキャリアを発展させる道筋を示します。

法務部員・組織内弁護士のNext Step

STEP

自分の「金貨」を棚卸しする 現在の業務を書き出し、日本語依存のタスクとAI後も残る付加価値を仕分けましょう。砂に変わり得る金貨を可視化すると、学ぶ領域と手放す慣習が明瞭になります。

STEP

AIを味方にして専門性を深掘りする 生成AIで翻訳や調査を自動化し、空いた時間で専門分野を掘り下げます。プロンプト設計を訓練し、現場に根差したリスク分析の精度を高めることで、代替困難な核心の金貨を磨けます。

STEP

EQと異文化コミュニケーションを鍛える 言語の壁が低くなるほど、人間的信頼が差別化要因となります。高いEQと文化的感受性を備えた専門家は、AI時代でも選ばれます。

この三段階を循環させることで、技術の波を受け止めながら自らの価値を継続的に高められます。

ご興味を持っていただけたら、どうぞ原文をご高覧ください

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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