
1. コーナーの狙い
2. 今回の「メモしたい、法務の言葉」
“When you flatten complexity into false precision, you’re not protecting yourself from risk. You’re making yourself more vulnerable.” 「複雑さを見せかけの精密さに押し込めてしまうと、リスクから身を守るどころか、むしろいっそう無防備になります。」
リード・ホフマン氏(LinkedIn創業者)
2025年6月18日付LinkedIn記事「Possible|Hannah Fry on AI, algorithms, and human nature」
3. 中堅組織内弁護士による分析(個人的な考え)
この一節は、リード・ホフマンが2025年6月18日にLinkedInへ投稿した記事「Possible|Hannah Fry on AI, algorithms, and human nature」(同名ポッドキャストの紹介)を背景としています。
投稿の冒頭でホフマン氏は、「人生は常に賭けに満ちている」と述べ、成功確率70%を「ほぼ確実」と誤認し、残り30%が現実になった途端に不意を突かれる構図を指摘します。
続いて、彼は、番組ゲストである数学者ハンナ・フライ氏のエピソードを紹介します。
フライは「数字を感情に押し込めようとするのではなく、まず得たい感情を定め、そこから逆算して数字を考えよ」と助言しました。
ホフマン氏は、医療・ビジネス・人間関係など多様な領域で同じ落とし穴を見てきたと振り返り、「複雑さを見せかけの精密さに押し込めると、リスクから守られるどころか脆弱になる」と警告します。
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[リーガルリスクマネジメントの教科書とは?]
『リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版)は、2023年に出版された教科書です。リーガルリスクマネジメントという臨床法務技術を独学で学んでいただけるよう、心をこめて作成いたしました。きっと喜んでいただけると思います。

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(了)
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