🏆️速報!GC Powerlist Japan 2025に選出されました(詳しくはこちら)🏆️

リード・ホフマン氏(LinkedIn創業者)「複雑さを見せかけの精密さに押し込めてしまうと、リスクから身を守るどころか、むしろ、いっそう無防備になる。」丨メモしたい、法務の言葉

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨

1. コーナーの狙い

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨

Problem Statement (問題の所在)

法務部員・組織内弁護士は、不確実性が高まる環境の中で、社内のクライアント(依頼者、経営者、事業部門など)の意思決定を十分な情報に基づいて支援する役割を担います。 しかし、日々の業務で何をすべきか迷うときもあります。

ソリューション

定期的に、法律雑誌などで見つけた「珠玉の言葉」を紹介します。 ノートやスマホにメモすることで、自分を鼓舞したり新しい気付きを得るきっかけになることを期待しています。

想定する読者

法務部門の方(とりわけ組織内弁護士・インハウス弁護士)、外部弁護士の方、ロースクール生・司法修習生の方

2. 今回の「メモしたい、法務の言葉」

“When you flatten complexity into false precision, you’re not protecting yourself from risk. You’re making yourself more vulnerable.” 「複雑さを見せかけの精密さに押し込めてしまうと、リスクから身を守るどころか、むしろいっそう無防備になります。」

リード・ホフマン氏(LinkedIn創業者)

2025年6月18日付LinkedIn記事「Possible|Hannah Fry on AI, algorithms, and human nature

3. 中堅組織内弁護士による分析(個人的な考え)

この一節は、リード・ホフマンが2025年6月18日にLinkedInへ投稿した記事「Possible|Hannah Fry on AI, algorithms, and human nature」(同名ポッドキャストの紹介)を背景としています。

投稿の冒頭でホフマン氏は、「人生は常に賭けに満ちている」と述べ、成功確率70%を「ほぼ確実」と誤認し、残り30%が現実になった途端に不意を突かれる構図を指摘します。

続いて、彼は、番組ゲストである数学者ハンナ・フライ氏のエピソードを紹介します。

  • あるがん患者が「追加治療をしなければ10年生存率84%、治療すれば88%」というわずかな差に直面した事例です。
  • 統計上の利得は小さいものの、患者は生存を二者択一で捉え、治療が生活の質に与える影響を十分に考慮できませんでした。
  • ここに、数字と感情の間に横たわる溝があるとホフマン氏は説きます。

フライは「数字を感情に押し込めようとするのではなく、まず得たい感情を定め、そこから逆算して数字を考えよ」と助言しました。

ホフマン氏は、医療・ビジネス・人間関係など多様な領域で同じ落とし穴を見てきたと振り返り、「複雑さを見せかけの精密さに押し込めると、リスクから守られるどころか脆弱になる」と警告します。

<ゆる募>「お悩み相談箱」

法務部員・組織内弁護士としての大切なことや日々の悩みは、誰かに話すだけでも心が軽くなるものです。もし「取り上げてほしい」「ちょっと聞いてほしい」と思うことがあれば、どうぞ遠慮なくメールフォームからお寄せください。いただいたご相談は、できる限り丁寧に目を通し、少しでもお力になれればと考えています。

なお、法律相談に関しては直接対応いたしかねますので、お近くの法テラスにご相談ください。それ以外のお悩みや想いは、いつでもお待ちしております。あなたの声が、きっと誰かの力にもなります。

[関連記事]

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨
図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨
図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨

[リーガルリスクマネジメントの教科書とは?]

リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版)は、2023年に出版された教科書です。リーガルリスクマネジメントという臨床法務技術を独学で学んでいただけるよう、心をこめて作成いたしました。きっと喜んでいただけると思います。

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨
渡部友一郎『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版、2023)

***

ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。