『なぜ、事業領域を沢山抱える企業の戦略は失敗するのか (1/3)』丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年9−10月号

「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

皆様の所属企業は(子会社・関連会社含めて)異なる事業領域を沢山抱えていますか?(「YES」「むしろ手を広げすぎ!」など皆様の心の声を感じています)。そして、御社の経営陣の戦略はうまく機能していますか?2024年9−10月号の論文でとても勉強になった論文がこちらです。沢山の事業領域を抱えるAmazonなどうまく行っている企業の研究が紹介されています。組織内弁護士・法務部員として「経営」に関する知識を高めるためにぜひご覧ください。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Bharat N. Anand and David J. Collis (2024), Why Multibusiness Strategies Fail and How to Make Them Succeed, Corporations should focus less on the makeup of their portfolios and more on managing them, Harvard Business Review, 102(5), 138-149.

重要ポイント[1/3]: マルチビジネス戦略(multibusiness strategies)の失敗の原因

筆者らの研究によれば、多くのマルチビジネス企業(multibusiness enterprises)は、ポートフォリオの構成(composition)に重点を置きすぎており、各ビジネスにどのように価値を付加するか(adding value)を十分に考慮していない。この結果、企業の市場価値が個別のビジネスを合算したものよりも低くなる「ダイバーシフィケーション・ディスカウント」(diversification discount)が生じることが多い。フィリップ・G・バーガーとエリ・オフェックの研究によると、マルチビジネス企業の市場価値は、平均して15%も個別のビジネスの価値より低い。また、ゼネラル・エレクトリックの分割などの失敗例もあり、マルチビジネス戦略の実行は困難であることが示されている。一方で、Danaher、Blackstone、KKR、Amazonのような企業は、①戦略的な選択、②構造及び管理プロセスの適切な調整を通じて、成功を収めている。筆者らによれば、これらの企業は、ダイバーシフィケーションのリスクを克服しており、本論文ではその戦略紹介が続いていく。

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