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政治的激動期を生き抜く戦略的冬眠丨一緒に学ぶ論文はこちら
Christopher Marquis (2025). Is This a Moment for Strategic Hibernation?: A new model for business resilience in a politically turbulent era, Harvard Business Review, 103(5), 62-71.
政治的激動期を生き抜く戦略的冬眠丨全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる>
今回は、かわぐちかいじ氏の漫画『沈黙の艦隊(音声にご注意ください)』(最近ドラマ化された⋯)から、海江田艦長がゲスト出演してくれています。では、艦長お願いします(マイクをお渡しする🎙️)。
* * *
⚓️ 独立国「やまと」元首・艦長の海江田だ。総員に告ぐ。我々が潜る海は「戦略的冬眠」にある。世界はいま、政治と規制という嵐の中にある。だが狼狽するな。我々「やまと」がとるべき航路は、嵐に逆らうことでも、港へ逃げ帰ることでもない。深く潜り、時を待つ「戦略的潜水艦」となることだ。
本艦は、このHBR論文が示す航海図(チャート)に従い、以下の3つの戦術を実行する。
☢️ 原子炉(エンジン)を止めるな、ただ深く潜れ 嵐(禁酒法や不条理な規制)が来た時、愚かな船は逃げ出し、あるいは沈む。だが我々は違う。事業の表層を変えてでも(工場を別用途に転用してでも)、組織の「中核能力」という原子炉は稼働させ続けるのだ。潜航中も牙を研ぎ澄まし、能力を温存した者だけが、嵐が去った後の海を支配できる。
📡 ソナーを研ぎ澄まし、「浮上」の時を計れ 冬眠とは、単なる休息ではない。暗い海中で「政治的リスク分析」というソナーを極限まで鋭敏にせよ。時代の潮目が変わる音(規制緩和の予兆)を誰よりも早く探知するのだ。他国がまだ混乱している隙に、計算し尽くされたタイミングで急速浮上し、一気に実権を握る。それが我々の勝利の方程式だ。
🤫 静粛に航行し、海の色に「擬態」せよ 海上が荒れている時、派手な旗(主張)を掲げるのは無能のすることだ。理想は胸の内に秘めよ。外見は周囲の潮流に合わせて「カモフラージュ(擬態)」し、敵(権力や批判)のレーダーから姿を消すのだ。生き残り、目的を果たすためには、「静かなる潜航(サイレント・ランニング)」こそが最強の武器となる。
以上だ。各員、衝撃(冬の時代)に備えよ。
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特別ゲストの海江田艦長、ありがとうございました。そして、モーニングを読んでいなかった皆様、世代が異なる皆様、わかりにくい例えで申し訳ありません。
全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。
政治的激動期を生き抜く戦略的冬眠丨個別丨本日のポイント
新たな生存モデル「戦略的冬眠」と中核資産の維持
1919年の米国の禁酒法時代、1300以上あった醸造所のうち生き残ったのはAnheuser-BuschやMillerなど100社未満であった。彼らは設備を転用してアイスクリームや染料を製造し、嵐が過ぎ去るのを待った。本論文において、著者はこれを「戦略的冬眠(Strategic Hibernation)」と呼ぶ。
現代の企業が直面する政治的・文化的激動に対し、Uberのような「撤退」、Teslaのような「発言(ロビー活動)」、Appleのような「忠誠(迎合)」といった従来の対応には限界がある。冬眠とは、外部への露出を減らしつつ、内部能力を維持する第4の選択肢である。
その成功の鍵は「中核資産の維持」にある。
2001年、ブッシュ政権が胚性幹細胞(ES細胞)研究を制限した際、バイオテクノロジー企業は研究を放棄せず、シンガポールへの拠点移動や、データ分析などの非生物学的研究に軸足を移して能力を温存した。その結果、2009年のオバマ政権による規制撤廃後に彼らは復活を遂げた。例えば、ACTはOcata Therapeuticsとなり2016年にアステラス製薬に3億7900万ドルで買収され、ViaCyteも2022年にVertex Pharmaceuticalsに3億2000万ドルで買収されるなど、冬眠中に維持した資産が巨額の価値を生み出したのである。
政治的激動期を生き抜く戦略的冬眠丨30秒考えてみよう。
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(了)
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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。