本日の「ハーバード・ビジネス・レビューを読もう」の目次
火曜日・金曜日は集まれ! #法務のみんなで一緒に前進
「スーパーファシリテーター」になる丨一緒に学ぶ論文はこちら
Jamil Zaki (2025). Every Team Needs a Super-Facilitator: That’s the person who can integrate diverse expertise, promote equitable contributions, and cultivate trust. Here’s how to develop this crucial skill, Harvard Business Review, 103(4), 68-75.
「スーパーファシリテーター」になる丨全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる>
本論文について、チームを「ひな壇芸人(メンバー)」が並ぶ番組と見立てると、スーパー・ファシリテーターは、自分だけが爆笑を取るのではなく、全員の魅力を引き出し、番組全体を最高に面白くするMCそのものです(多分)。
🎤 「自分」ではなく「番組」を面白くする MCが一人で喋り続けても番組は盛り上がりません。スーパー・ファシリテーターは、自分の才能をひけらかすのではなく、メンバー全員の個性を組み合わせて、一人では作れない「爆笑(成果)」を生み出すことに徹します。
📡 誰が「オイシイ」かを見抜く眼力 スタジオの空気を読み、「今、誰に話を振れば一番盛り上がるか」を瞬時に判断します。メンバーの得意分野や感情を敏感に察知し、最適なタイミングでパスを出す「共感力」が武器です。
⏱️ 「尺(しゃく)」を完璧にコントロールする 声の大きい芸人ばかりに喋らせず、静かだけど面白い芸人にも話を振ります。会議における「発言時間の配分」を調整し、特定の人による独演会を防ぐことで、全員の知恵を結集させます。
💡 「無茶振り」ではなく「信頼のパス」 「お前なら絶対面白い返しができる」と信じて話を振ることで、若手や自信のないメンバーのポテンシャルを引き出します。この「期待」が心理的安全性と自信を生み、チーム全体のパフォーマンスを劇的に向上させます。
全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。
「スーパーファシリテーター」になる丨個別丨本日のポイント
本論文は、なぜ「天才の集まり」が失敗するのか?という問を投げかけます。
本論文によれば、NBA史上稀有な司令塔であるクリス・ポールのように、チームメイト全員の強みを結合させ、単独では不可能な成果を生み出す「認知的超個体」を形成する存在、それが「スーパー・ファシリテーター」である。現代文化は「孤独な天才」を美化しがちだが、キャロル・ドゥエックらの2019年の研究によれば、「天才文化」を強調する企業ほど協調性や倫理観が低い傾向にある。ポール・グラハムが提唱した「ファウンダー・モード」のような支配的なリーダーシップは、時に権威主義的な弊害をもたらす。
心理学者アニータ・ウーリーらが開発したグループIQテストの研究は、衝撃的な事実を明らかにした。優れたチーム(スーパーグループ)を構成するのは、個人のIQが高いメンバーではなく、互いのスキルと信頼に基づいて組織化する「メタ・タレント」を持つ人々であった。集合知(Collective Intelligence)とは、平均値を取ることではなく、差異を統合することである。スーパー・ファシリテーターは、メンバーが専門知識を深める「孤立した作業」と、情報を共有する「爆発的な相互作用」をリズムよく管理するトランザクティブ・システム(対人記憶システム)を構築し、重複作業を排除してチームの脳力を最大化するのである。
「スーパーファシリテーター」になる丨30秒考えてみよう。
- 📝 皆さんはどう思われますか?
- 🏢 組織内弁護士・法務部として「企業内」で活用できる場面はありそうでしょうか?
- ✉️ この論文をシェアしたら喜びそうな事業部の方はいらっしゃいますか?(オンライン版は月1〜2本の記事無料で読める場合があるので、事業部の方にシェアしてみてはいかがでしょうか?―感謝されるかもしれません🤝)
HBRの定期購読のおすすめ
毎号、自宅のポストに届くのを心待ちにしています、下記は最新号の表紙です。ビジュアルも大変美しいです。 I strongly recommend/encourage your subscription to the esteemed HBR. It’s truly meaningful.

もうちょっと勉強したい人へ丨関連記事
***
ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。







「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。