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【日曜朝連載】名著『法律家へ激震(Legal Upheaval)』第12回(完)― 結語

図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨
【日曜朝連載】名著『法律家へ激震(Legal Upheaval)』第12回(完)― 結語

◯✕ 問題<正解は末尾>

問1 次の文は正しいか?― 結論章では、法曹界の変革を牽引する四つの主体として「ミレニアル世代の弁護士、女性弁護士、新しく飢えた法科大学院生、企業クライアント」が挙げられている。

問2 次の文は正しいか?― ミレニアル世代は従来型のワーク・ライフ・バランスよりもワーク・ライフ・インテグレーションを求め、個人の多様性とチームワークを重視する傾向があると本文は述べている。

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毎週日曜の朝に更新し、日本では未翻訳の名著に光を当てます。

著者ミシェル・デステファノ氏マイアミ大学ロースクール教授であり、ハーバード・ロースクールのエグゼクティブ教育プログラムでも教鞭を執る法律教育者です。米国法曹協会からLegal Rebelに選出され、フィナンシャル・タイムズでも「最も革新的な弁護士」トップ20の一人と評価されています。

現在、Airbnbのグローバル法務で各国のリーガルテックに触れる中で、本書のポイントを自分なり取捨選択して謹んで共有したいと考えました。学びの途上として整理した私なりのメモを、毎週日曜朝に全12回でお届けします。

本連載を最後までお読みいただければ、法律事務所でも企業でも「新しい時代の法律家」に求められる視点をデスゲファノ教授から学べると思います。本書から共に学ぶ時間を、私自身も楽しみにしています

Michele DeStefano, Legal Upheaval: A Guide to Creativity, Collaboration, and Innovation in Law (Ankerwycke 2018). [Amazonで原著購入― ハードカバー版のみ]

結語

デスゲファノ教授は、結語として、法務市場の「漸進的だが持続的な変革」を成否の鍵と位置づけ、旧来型サービスに固執する法律家や教育機関は長期的には淘汰されると警告します。成功の担い手として著者が指摘するのは「四者」、すなわち:

  1. 変化を厭わずチーム志向で多様性を歓迎するミレニアル弁護士
  2. 共感力とレジリエンスに優れ三つのオープン・ルールを自然に体現できる女性弁護士
  3. 伝統に縛られずスキルギャップを埋めるカリキュラムと教員研修に挑む新興・中堅法科大学院
  4. そして本書を手に取り自ら行動を起こす読者(わたし・あなた)

デスゲファノ教授は、ピカソの言う「ぼんやりした方向性」を手掛かりに探究と偶発的発見を重ね、トールストイが説く「今」という唯一の力の及ぶ時間で、クライアント中心・多職種協働・技術活用を実践し、法務の在り方を上方へと押し上げる「クォーターバック」となり得ると私達を励まし、最終章を終えます。

<本日の答え合わせ>
◯✕ 問題


問1 次の文は正しいか?― 結論章では、法曹界の変革を牽引する四つの主体として「ミレニアル世代の弁護士、女性弁護士、新しく飢えた法科大学院生、企業クライアント」が挙げられている。
答 ✕

理由 本文が示す四者は「ミレニアル世代」「女性弁護士」「新しく飢えた法科大学院生」「(読者である)あなた」であり、企業クライアントは含まれていないため誤りです。

問2 次の文は正しいか?― ミレニアル世代は従来型のワーク・ライフ・バランスよりもワーク・ライフ・インテグレーションを求め、個人の多様性とチームワークを重視する傾向があると本文は述べている。
答 ◯

理由 結論章は、ミレニアルは独自性を仕事に持ち込み多様性を価値と見なすうえ、柔軟な統合型働き方を望むため、適切な環境があれば長時間でも熱意を持って働くと説明しています。

お休みにお目通しをいただき、ありがとうございます。

原著購入の推薦 最後に、本書は「AI時代」到来前の2018年に刊行されながら、リーガルオペレーションや「テック×法務」を先取りし、リーガルテック導入時に直面する障壁を分かりやすく説明しており、非常に学ぶ価値の高い書籍であると考えています。もし研究・実務などでご関心があれば、右のURLからぜひご購入をご検討ください。[Amazonで原著購入― ハードカバー版のみ]

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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。