物議を呼ぶ論点への企業の正しい接し方(1)丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年3−4月号

「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

David M. Bersoff, Sandra J. Sucher, and Peter Tufano (2024). How Companies Should Weigh In on a Controversy: A better approach to stakeholder management, Harvard Business Review, 102(2), 109-119.

重要ポイント1: 企業の価値観と行動の一貫性が成功に直結

筆者の研究は、企業が社会的問題(物議を呼ぶ論点)に対してどのように対応するかは、その価値観と「一貫性(consistency)」が成功に大きく影響することを示している。

筆者らの取り上げた例として、ブラジルの化粧品メーカーNatura社は、父の日のキャンペーンにトランスジェンダー俳優を起用した際、保守派の反発にもかかわらず、起用を支持する声明を迅速に発表し、その結果、株価が上昇し、SNSのフォロワー数も増加した。一方、アメリカ合衆国の大手ビール製造会社 Anheuser-Busch社は、類似の状況において、「明確な対応を避けた」(appeared to ignore the issue)ため、売上に悪影響を及ぼした。筆者らは、企業の行動が当該企業の価値観と一貫していること(consistent with its history)が重要であると説く。

日本企業では、物議を呼ぶ論点とは一線を画することが多いのですが、私が所属するAirbnbでもファウンダーCEOがある企業の文化・価値から譲れない論点に関して、コミュニケーションを行うことがあり、日米の違いを感じております。但し、この論説は、私たち組織内弁護士・法務部門が、広報部門が作成する「センシティブかつ多様な見方がありうる物議を呼ぶ論点」についてのプレスリリースや幹部のパブリックな発言をレビューする際に、役立つでしょう。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

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