

『サステナビリティ大全』は、西村あさひ法律事務所・外国法共同事業が総力を結集し、多面的にサステナビリティ規範を解析した決定版です。2025年3月刊行、A5判上製864頁で定価10,450円と大部ですが、企業法務とサステナビリティの交差点を俯瞰するうえで比類のない情報量を誇ります。
第1部「総論」ではサステナビリティの歴史と概念、ESG要素の取締役善管注意義務への影響を整理し、マテリアリティの捉え方を明快に示します。第2部「コーポレート」では取締役会体制、役員報酬、情報開示などガバナンス実務を掘り下げ、M&Aやベネフィットコーポレーションを取り上げて最新潮流を網羅します。第3部「ファイナンス」はESG投資、サステナブルファイナンス、インパクト投資など資金調達の最前線を解説し、サステナビリティ・リンク・デリバティブなど新商品にも言及します。
第4部「ソーシャル」ではDiversity, Equity & Inclusion、ビジネスと人権、労働法、地方創生、フードテック、SDGsウォッシュ規制まで幅広く扱い、部門横断的なリスクと機会を提示します。第5部「環境」は気候変動、自然資本、サーキュラーエコノミーを整理し、第6部「独禁・通商」では競争法や貿易規制におけるサステナビリティ協調の課題を論じます。
各章は理論、規制動向、実務対応の三層構成で、チェックリストと具体例が豊富です。これにより法務担当者だけでなく、経営企画、IR、サステナビリティ部門が共通言語で議論できる土台を提供します。サステナビリティをビジネス価値へ昇華させる羅針盤として、企業の意思決定に不可欠な一冊です。
ご関心がある方・勉強されたい方:詳しい情報はどうぞこちらをご参照ください。
御恵贈いただいた書籍に深く感謝いたします。私は組織内弁護士として専用の図書館や電子図書サービスを利用できない環境にあり、弁護士会合同図書館が調査の要となっています。購入済みの書籍と重複した場合、または、検索して合同図書館にまだ(新刊のため)所蔵がない場合は、同じ環境にいる組織内弁護士の方々にも役立てていただけるよう、図書館の予算も潤沢ではないと耳にしており、都度、寄贈を検討しています。貴重な参考資料を共有財産として活用することで、学びの途上にある自分自身を含め、より多くの実務家の調査に資することができれば幸いです。ご了承いただけますと幸いです。
引き続きご指導ご鞭撻をどうぞよろしくおねがいします。
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(了)
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いつもお世話になっております。N&A様よりご恵贈いただいた書籍を、謹んでご紹介いたします。送付状からはご担当の先生のお名前が分かりませんでしたので、改めてお礼をお伝えできるよう、個別にご連絡いただけますと幸いです。高価な書籍をお送りくださり、心より感謝申し上げます。