新規登壇丨東京大学法学部・巽智彦(たつみ ともひこ)先生―弁護士/法務部の方は要チェック

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このたび、新たに登壇の機会を頂きましたのでご報告いたします。学びの途上として準備を進め、少しでも有益な内容をお届けできるよう努めてまいります。

登壇情報

東京大学法学部丨行政法演習(外国語科目)巽智彦先生

水を弾くような東京大学法学部の学生の皆様

Airbnbの公休日に、ゲストスピーカーとして登壇の機会をいただき、巽先生に心からお礼申し上げます。水を弾くような素晴らしい感性と知性を兼ね備えたゼミ生の皆様にお目にかかれて光栄でございました。

Spent Airbnb’s company day off guest-speaking at the University of Tokyo’s Faculty of Law. Students’ sharp questions recharged me. Thank you, Prof. Tatsumi, amazing what one free day can spark.

東京大学の行政法のエース巽智彦先生とは?

私が大好きな行政法学者の巽先生について謹んでご紹介です(天才でありながら、ゼミ生思いで穏やかで実直で素敵な先生です)。情報の一次ソースは、東京大学のウェブサイトに限定しました。

巽 智彦 先生とは ― 東京大学が生んだ若手行政法学者の横顔

東京大学大学院法学政治学研究科・法学部で行政法を担当する巽 智彦先生は、デジタル社会における国家と公法の役割という新しい地平を切り拓こうとしている気鋭の研究者です。公私の境界がサイバー空間にまで広がる現代において、国家が個人の権利を守りながら社会全体の発展にどう寄与できるのか―この根源的な問いを、理論と比較法の双方から掘り下げる研究姿勢が高く評価されています。

学歴と学位

巽先生は東京大学法学部第二類(公法コース)で学士課程を修了後、同大学院法学政治学研究科に進学し、博士(法学)を取得しました。大学院在学中から行政法学の基礎理論と実務を架橋する研究に取り組み、「国家による規制手法と統制の適正」をテーマに論文を重ね、その成果がのちの博士論文へと結実しています。

キャリアの歩み

2011年4月に東京大学大学院法学政治学研究科の助教としてキャリアをスタートさせた後、2014年からは成蹊大学法学部で専任講師、2016年には同学部准教授として教育・研究の両面をリードしました。2021年4月、母校である東京大学に准教授として復帰し、行政法分野の次世代育成と国際連携を加速させています。

研究テーマと社会的インパクト

巽先生が掲げる主題は「デジタル社会における国家・公法の意義と役割」。Society 5.0 のビジョンを視野に、国家と民間事業者が協働しながらいかに個人の権利を保護し、公共利益を実現できるかを理論・制度の両側面から検討しています。行政裁量・規制手法・比較法といったキーワードを交差させ、ICT ガバナンスやプラットフォーム規制に関する政策提言も行うなど、実務との接点が豊富です。

受賞歴

若手ながら既に複数の栄誉に輝いており、東京大学総長賞(2011年)に続き、2021年度には行政法学の登竜門とされる「滝井繁男行政争訟奨励賞(研究部門)」を受賞しました。これらの受賞は、基礎理論と実務課題を結びつける先生のアプローチが高く評価された証左と言えるでしょう。

現在の活動と展望

東京大学では、学部・大学院の講義に加えて学内外の研究プロジェクトを主導し、行政法の国際比較やデジタル行政改革に関する共同研究を推進中です。2024年度には海外研究機関でのフェローシップも予定されており、国境を越えたネットワークを通じて理論の国際化と政策提言を図ります。さらに、若手研究者・実務家との対話を重ね、法制度のアップデートに資する知見を社会へ還元し続けています。

個人的な想い(ここは主観です)

個人的には、デジタルに関わる関わらないに問わず、未来の塩野先生のような存在であり、同時代に生きる喜びを感じるぐらいの、法務部/組織内弁護士の先生方が、今すぐではなくても近い将来、必ずその存在を認知される、そのような素敵な方です。

授業外の今日の発見

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東京大学本郷キャンパスの正門(1912年竣工)の冠木(かぶき)中央に見える模様は、しばしば「菊花紋章では?」と誤解されますが(在学中は私も⋯以下略)、実際には「瑞雲」(ずいうん)から昇る旭日を表した意匠の模様。雲間から放射状に広がる 16 本の光条が朝日を象り、吉兆を象徴する瑞雲と組み合わせて「新たな知の夜明け」を寓意したデザインと説明されています。

🔍 Look up at the tiny crest topping UTokyo’s 1912 Main Gate, notice the 16 sun rays, not a chrysanthemum? It’s a “rising sun through lucky clouds,” symbolising new knowledge. Just right of frame lies the Law School where my journey began, still sparks nostalgia every visit.

おわりに

組織内弁護士として登壇の機会をいただくことが増え、2020年以降は小規模勉強会を含め累計約100回の講演・研修を行いました。大手法律事務所や上場企業からご依頼を受けることもありますが、毎回「次はさらに分かりやすく」を目標に内容を見直しています。

お役に立てる範囲で講師を務めたいと考えておりますので、ご関心がありましたらお気軽にお問い合わせください(メールフォーム)。なお、本業の時間的制約等から諸条件(なお、法科大学院等の教育機関の場合、できる限りの範囲で、無償でお引き受けさせていただいております)を都度ご相談させていただております。

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。