
書誌情報
渡部友一郎「Airbnbで学んだ法務時間術6つの金貨(3) 時間術は不幸せな仕事マシーンを量産するか」ビジネス法務2025年7月号(2025年)69頁
法務部員・組織内弁護士向けのまとめ
本稿は、効率一辺倒の時間術が抱える虚無感に触れ、幸福度研究『時間とお金の幸福論』を手掛かりに「40ドルで時間を買う」発想を紹介します。名刺入力や確定申告を外注して得た余白の体験から、法務現場でも「幸せを生む時間」と「消耗する時間」を見極める思考転換を提案する試論です。
法務部員・組織内弁護士のNext Step
“買う価値のある時間”を炙り出す まず1日の行動をざっと記録し、①疲労ばかり増す作業 ②自分にしかできない創造的活動に分類します。①の中から月に1つ、外注・自動化・デリバリーで置き換えられるタスクを選び、実際に「時間を買う」決断を下してください。小さな浪費を手放すたびに集中力と満足感が高まります。
空いた“黄金のスロット”を幸福投資に充てる 確保した時間は資格学習、家族との対話、睡眠など長期目標に直結する行為に優先投入します。週末に〈買った時間→使い道→得た感情〉を振り返り、因果関係を数字と実感で確認しましょう。効果を可視化すると「時間を買う勇気」が習慣化し、効率と幸福が両輪で回り始めます。
おわりに
自分でこなせる作業にお金を払うことに、長らく罪悪感がありました。タクシーを利用したり、人に仕事を頼んだりすると「自分でできるのに」とためらっていたのです。しかし、時間をお金で買うと幸福度が大きく向上するという研究を読んでからは、思い込みを見直しました。学びの途上として科学的根拠を踏まえ、少額でも時間を節約する選択を許せるようになったと感じています。詳しくは、今月の最新号のビジネス法務をご高覧ください。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
法務部・弁護士(インハウス弁護士・組織内弁護士)向けの法務専門誌「ビジネス法務」(中央経済社)にて、全6回の連載を担当させていただくことになりました。まだまだ組織内弁護士や法務部員として研鑽中の身ではありますが、時間の捉え方・管理に関して、小さな気づきやヒントをお届けできるよう努めてまいります。