『リアルに機能する企業文化の秘密 (3/3)』丨ハーバード・ビジネスレビュー最新号24年7−8月号

「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。

企業イメージ・ブランドを高めようと思って社内のどこかのチームが役員らと少人数で作ったであろう(誰も業務で意識しない)「企業ミッション」や「企業パーパス」が溢れていませんか?リアルに機能するミッションとの違いはどこか?企業文化の再設計に重用な論説です。

(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。

Erin Meyer (2024). Build a Corporate Culture That Works, Start by thinking about the dilemmas your people will face, Harvard Business Review, 102(4), 66-75.

重要ポイント[3/3]: 採用と文化の整合性:正しい人材の選定が文化を形作る
  • 「Garbage in, garbage out」(意訳:ゴミを入れれば、アウトプットは当然ゴミ)の原則に従い、筆者は適切な文化に合致した人材の採用が重要であると強調している。
  • 筆者は、Patagoniaの例を挙げ、「山や自然を愛する」アウトドア志向の人材を優先し、標準的なMBAよりもアウトドア経験(base camp)を持つ人材を重視していると紹介する。また、Shopifyの創設者Tobias Lütkeは「Shopifyは家族ではなくチーム」として、優れたパフォーマンスを求める文化を打ち出し、適合しない人材は早期に排除する(let go)方針を示している。
  • Netflixの「No brilliant jerks; the cost to teamwork is just too high」は、どれほど優秀であってもチームの協力を乱す者は受け入れないという明確なメッセージを発信している。
  • これらの具体例は、企業が採用段階から文化に適した人材を選び、またその後も文化に即した処遇を実施することで、組織全体の望ましい行動(behavior)を引き出す一助となることを示している。

では、私たちリーガル部門や多部門でリーダーを目指していく中で、どのようなミッションを設けていけばよいのだろうか?

ステップ詳細説明
①具体的なジレンマを明確にするまず、組織内で従業員が直面する典型的なジレンマを洗い出します。例:「情報を部下に共有するか隠しておくか」「上司の意見に異議を唱えるべきか従うべきか」など。
②ジレンマに対する推奨される対応を決定するそれぞれのジレンマに対して、組織が望む対応を明確に定めます。例:「透明性を重視する文化の場合、情報を常にオープンにするべき」といった指針を設定。
③価値観を具体的で覚えやすい表現に変換する抽象的な表現ではなく、具体的で視覚的なイメージや実生活に結びつく言葉を使用します。例: Amazonの「Two-Pizza Rule」やNetflixの「No brilliant jerks」。
④定期的に価値観をテストして改善する設定した価値観が業務において効果的か定期的に確認し、必要に応じて調整を行います。従業員からのフィードバックを取り入れ、ジレンマへの対応を検証。

今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。

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(了)

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