Matthew Dixon, Ted McKenna, Rory Channer, Karen Freeman (2023). What Today’s Rainmakers Do Differently, Harvard Business Review, 101(6), 72-81.
プロフェッショナルサービス(士業)では、パートナーが競争力のある「参入障壁(広義の意味で「競争優位性」をいう)」[原文:moat] を築いてクライアントを確保します。各パートナーのビジネス開発のスタイルは5つのプロファイルに分類できます。
①エキスパート
エキスパートはビジネス開発に消極的です。自身の専門知識を高めることに重点を置いています。結果的に、エキスパートは、自分自身の専門性(スキルセット)にぴったりのクライアントからの問い合わせに応じることでビジネスを開発しています。他のパートナーから依頼を受けて、プロジェクトでの特定の専門知識を提供することもあります。
②コンフィダント
コンフィダントは、クライアント中心で、優れた反応力&業務実行力で評価されています。コンフィダントのパートナーは、長年の関係を築いたクライアントとのつながりを大切にし、その関係からビジネスを得ることを期待しています。業界の古典的な「信頼されるアドバイザー」モデルに最も近いプロファイルです。
③ディベーター
ディベーターは、反対意見を呈示して、クライアントをより挑戦する方向へ導こうとします。しかし、当該アプローチはプロフェッショナルサービス業界(士業)ではあまり効果的ではないとされています。
④リアリスト
リアリストは、透明性と正直さを大切にし、実現可能な範囲について率直に伝えます。他方、リアリストのパートナーの慎重な姿勢は、ときに、上昇志向の強いクライアントにとっては納得できないことがあります。
⑤アクティベーター
アクティベーターは、ネットワーク構築に力を入れます。LinkedInやイベントを通じて潜在的なクライアントと積極的に関わります。彼らはクライアントの組織内で幅広い関係を築き、プロアクティブにビジネス機会を探求します。研究では、このアプローチが、収益に最もポジティブな影響を与えていることが示されています。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
毎朝4時台に起床して勉強時間を捻出しています。さて、最新号の特集で最も心惹かれた論文の1つがこちらです。レインメーカーとは「法律事務所にお金をもたらす案件を雨のように降らす人」のことです。日本語で思い切って原題を意訳するなら『パートナー弁護士 革命』でしょうか。本稿は、原文[リンクはネット版]をぜひパートナー弁護士の先生方はご高覧ください。
私見としては、5つのプロファイル全てを弁護士は併せ持っており、バイナリーにどれか1つというわけではないと思います。また、事務所には多様なプロファイルのパートナーがいるから有り難いことも事実です。他方、クライアントとしても、アクティベーターはAppreciateしておりますし、何かあったときに「first contact」になりやすいのは間違いないと存じます。
(*)英語力が乏しいためノロノロと順次、テクノロジーの力を借りつつ整理しておりますが、毎号素晴らしい学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、Blogをきっかけに、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。