本日の「ハーバード・ビジネス・レビューを読もう」の目次
火曜日・金曜日は集まれ! #法務のみんなで一緒に前進
中国生成AIの独自進化と経営の「ハイブリッド戦略」丨一緒に学ぶ論文はこちら
Amit Joshi, Mark J. Greeven, Sophie Liu and Kunjian Li (2025). How Savvy Companies Are Using Chinese AI: They integrate it with Western systems to deliver real advantages, Harvard Business Review, 103(4), 76-85.
中国生成AIの独自進化と経営の「ハイブリッド戦略」丨全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる>
本論文をどのように例えるか迷ったのですが、端的に言うと、欧米と中国のAIは、どちらが優れているかという「勝ち負け」ではなく、全く異なる特性を持つ「二種類の人材」として捉えるべきだという内容です(多分)。
🤵 本社採用の「スーパー・エリート(欧米AI)」:GoogleやOpenAIは、年俸が高い(コストがかかる)代わりに、どんな難題でも論理的にこなす万能な天才エリートです。抽象的な戦略や、前例のない新しい課題を解決する「本社機能」に向いています。
👷 現地叩き上げの「凄腕・現場監督(中国AI)」:DeepSeekなどの中国AIは、限られた予算とリソース(半導体規制)の中で鍛え上げられた、コスパ最強の実務家です。「医療」「物流」など特定の現場業務においては、エリートよりも遥かに安く、速く、正確に仕事を片付けます。
🤝 賢い経営者は「ハイブリッド人事」を行う:「エリートしか採用しない」会社はコストで破綻し、「現場監督」だけでは全体戦略が描けません。勝てる企業は、高度な推論には欧米AIを使い、日々の大量の実務には中国AIを使うという、適材適所の「使い分け戦略(デュアルトラック)」を実践しているというのが全体の要旨。
全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。
中国生成AIの独自進化と経営の「ハイブリッド戦略」丨個別丨本日のポイント
本論文によれば、中国企業は、研究所でのテストにとどまらず、ビジネスの最前線でAIツールを実装し、具体的な成果を上げている。
例えば、Trip.comは、200億の旅行データポイントで訓練された独自のLLM「Wendao」を導入し、業務効率を劇的に改善した。エンジニアのコーディング時間は15〜30%短縮され、コンテンツ作成時間は8.5分から15秒へと短縮しつつ、品質合格率は98.9%を維持している。また、マーケティングコンテンツの制作はわずか3分で完了し、ユーザーからの問い合わせの60%以上がAIによるセルフサービスで解決されている。
物流大手のSF Technology(順豊速運)もまた、実用主導型のAIを展開している。同社は、訓練データの80%を一般データ、20%を物流特化データに割り当てることで、推論コストを抑えつつ専門性を高めたモデル「Fengzhi」や「Fengyu」を開発した。これらはマーケティングや通関業務など20以上のシナリオで既に稼働している。Alibabaもまた、Taobao上の20万以上のサプライヤーに対し、高品質な商品ポートフォリオを作成するAIツールを提供している。このように中国企業は、汎用性よりも特定の業界やタスクにおける「戦略的な深さ」を優先させているのである。
中国生成AIの独自進化と経営の「ハイブリッド戦略」丨30秒考えてみよう。
- 📝 皆さんはどう思われますか?
- 🏢 組織内弁護士・法務部として「企業内」で活用できる場面はありそうでしょうか?
- ✉️ この論文をシェアしたら喜びそうな事業部の方はいらっしゃいますか?(オンライン版は月1〜2本の記事無料で読める場合があるので、事業部の方にシェアしてみてはいかがでしょうか?―感謝されるかもしれません🤝)
HBRの定期購読のおすすめ
毎号、自宅のポストに届くのを心待ちにしています、下記は最新号の表紙です。ビジュアルも大変美しいです。 I strongly recommend/encourage your subscription to the esteemed HBR. It’s truly meaningful.

もうちょっと勉強したい人へ丨関連記事
***
ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。





「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。