本日の「ハーバード・ビジネス・レビューを読もう」の目次
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Michael Mankins (2025). Lean Strategy Making – Standardizing your company’s approach can pay off. Here’s how, Harvard Business Review, 103(3), 42-51.
全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる> 本論文は、「部活の大会に挑むチームづくり⚾️」にたとえるとわかりやすいです。
└ はじめに、高い目標を掲げる監督が「次の大会でベスト4に入ろう」と少し背伸びした目標を示し、みんなのやる気を引き出します。
└ 次に、足りない力を洗い出す現在の実力と目標との差を調べ、「体力強化」「戦術研究」など課題リストを作り、練習メニューと担当者を決めます。
└ 最後に、練習毎に(例:練習試合の)結果を振り返り、戦術やポジションをこまめに修正して、目標とズレないようにします。
こうして「高い目標→ギャップ分析→定期調整」を回し続けることで、チーム全体の判断が速く正確になり、勝つ確率がぐっと上がる―これが「リーン戦略」のエッセンスです。多分。
個別丨本日のポイント
- 筆者の研究によれば、リーン戦略を採用する企業では、月次・四半期レビューを「パフォーマンス・ダイアログ」に刷新し、実行状況と戦略の整合性を同時に点検している。
- 例えば、Amgen社の経営トップ30名は毎月、Sensingプラットフォームで先行指標(新規処方件数、治験登録速度)と遅行指標を確認し、ギャップの原因と解決策を議論する。市場環境や規制が大きく変化し既存戦略が陳腐化した場合は、該当論点をバックログに戻し、事実収集から再開する。成功事例も共有し、優れたプラクティスを横展開する文化を醸成する。
- この標準化により、Amgen社は、2013年に3本だったブロックバスター薬(年間売上10億ドル超)を2025年には14本へ増やし、市場価値を500億ドル未満から1600億ドル超へと3倍以上拡大した。標準化されたダイアログが、戦略と実行の「ずれ」を早期に補正し、組織全体の意思決定スピードと精度を均質化したためである。
30秒考えてみよう。
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(了)
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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。