沖野眞已 東大法学部長/研究科長(4月着任)が最高裁へ⋯緊急登板となる新しい研究科長は?

東京大学丨組織内弁護士研究ノート
東京大学丨組織内弁護士研究ノート
図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨

女性初となる東京大学法学政治学研究科の研究科長へのご就任が発表された沖野眞已 研究科長(民法)が、人事・新体制の開始後、最高裁判所へ(最高裁判所判事/最高裁判事)として着任されることが明らかになりました(NHK丨2025年6月6日の報道)。本記事投稿の時点では、任期開始直後の「沖野眞已 研究科長」に代わり、どなたが研究科長に着任(再任)されるのかなどの公式な情報発表は、ウェブサイトには掲載されておりません。

こちらのコーナーでは、組織内弁護士・法務部員としての日常で学んだ気付きを短くご紹介します。学びの途上でまとめた内容ですが、皆さまが新しい情報に出会うきっかけになれば幸いです。

沖野眞已教授のご挨拶が掲載されたレアな号

“News Letter”は、東京大学大学院法学政治学研究科・法学部卒業生委員会が年2回発行する情報冊子です。法学部・大学院の研究・教育活動や卒業・修了生向けイベントのお知らせなどを掲載しています。 どなたでもオンライン公開後にご覧になれます。

沖野眞已先生のご挨拶が掲載されたNews Letterが届いたのは、ちょうど報道の少し前のタイミングでございました。そのため、あくまで私個人の推測ではございますが、東京大学法学政治学研究科で、女性として初めて研究科長にご就任されるご予定であった沖野先生をはじめ、そのご就任に向けて準備を進めてこられた関係各位におかれましては、最高裁判事ご就任の報を受けて、たいへん驚かれたのではないかと拝察いたします。

また、最高裁判所の職務と他の職務との兼任が認められていないことから、人事体制を改めてご検討のうえ、早急に新たな体制を整備される必要が生じたものと存じます。そのような背景のもと、関係者の皆様はさぞご多忙な日々をお過ごしではないかと思います。

今後の東京大学 法学政治学研究科/法学部からの人事発表に注目です。

News Letterのその他気になった記事

学生から愛された 荒木尚志 先生(労働法)のご退官

個人的なことで恐縮ではございますが、私が数ある司法試験の選択科目の中から「労働法」を選択いたしましたのは、荒木尚志先生のご講義がとても魅力的であったことが大きな理由でございました。

もともとは、将来ビジネスロイヤーとして活動する際に必要になるかもしれないという思いから、基礎だけでも学んでおこうという軽い気持ちで履修いたしました。ところが、紳士的であられる荒木先生の、穏やかでありながらも体系的で明快なご講義、そして何よりも学生一人ひとりに向き合いながら、労働法の面白さを情熱をもって伝えてくださるそのお姿に強く惹きつけられ、次第に労働法が最も楽しく、熱心に学ぶ科目の一つとなっていったことを、今でもよく覚えております。

社会人となり、組織内弁護士として企業の法務部門に身を置くようになってからは、特に人事領域の法的相談等を通じて、「あのとき真剣に労働法を学んでおいて本当によかった」と実感する場面が幾度もありました。とりわけ、外資系企業の法務では、各国の多様な労働法制に対応する必要があり、単なる表面的な理解ではなく、制度の背景まで踏まえた深い知見が求められることも少なくありませんでした。

卒業後も毎年欠かさず年始のご挨拶を差し上げておりましたが、その際にも先生は変わらぬ優しさで、昔の一学生である私にも温かくお声がけくださり、そのお人柄に胸を打たれました。一方で、学者としては常に凛とした姿勢を貫かれ、抽象的な理論にとどまらず、労働法が扱う生身の人々の現実、実務の世界への深い関心をもって向き合っておられるお姿からは、まさに先生ならではのバランス感覚と、社会や実務界に対する大きな影響力を、折に触れて強く感じておりました。荒木先生のますますのご健康を心より願っております。

関連情報

[外部サイト]

東京大学 法学政治学研究科・法学部 ニュースレター公式サイト

[サイト内の関連記事]

近況
図表・データ | 組織内弁護士研究ノート® | 法務部とインハウス弁護士の金貨

***

過去の論説一覧はこちら

関連する論説などを掲載したリサーチマップ(外部サイト)はこちら


(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。