Gary P. Pisano (2024). How Fast Should Your Company Really Grow? Why leaders should take a strategic perspective, Harvard Business Review, 102(2), 39-45.
では、適切な成長速度とは何か?
筆者は、「成長の速度」(pace of growth)は「各企業の機会の選択能力に見合った」(reflects their capacity to electively exploit opportunities)「目標成長率」(target growth rate)を選ぶべきであると主張する。
持続可能な成長率とは、企業が資本及び借入を必要とせずに成長できる速度をいう。人材や組織のノウハウ、運営の能力、企業文化も成長に必要なリソースといえ、成長を制約する要因足りうる。例えば、「ペロトン」(Peloton)はパンデミックの需要急増に対応するために急速な拡大を試みた。しかし、供給チェーンの限界を超えてしまい、品質と顧客サービスの問題に直面した。
他方、1956年に設立された「パルズ・サドン・サービス」(Pal’s Sudden Services)は、非常に厳格な成長アプローチを採用している。同社は、他の多くのファストフードチェーンが好む急拡大を避けてきた。1985年以降、平均して年に1店舗未満のペースで新店舗を追加し、1平方フィート[注:約0.09㎡(平方メートル)]あたり年間2,500ドル($2,500 per square foot)の売上高を誇る。同社の成功の鍵は、「リーンな生産システム」(lean manufacturing principles)と「品質へのこだわり」(obsession with quality)にある。従業員は各プロセスについて数週間の訓練を受け、認定試験に合格する必要がある。店舗の成長は「管理者の育成速度」(rate at which it can develop them)に左右される。
多くの企業は成長の潜在力を「需要側要因」(demand side factors)で考えるが、「供給側の制約」(supply-side constraints)を見落としがちである。持続可能な成長率を分析し、成長の速度に伴うトレードオフを慎重に考える必要がある。
「成長」を叫ぶ経営陣。リソースが足りない「現場」。今回は、多くの経営者や経営者を支える法務関係者には、非常に興味深い論文です。持続可能な成長を科学してくれています。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
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お読みいただき、ありがとうございます。「勉強時間なんて、忙しすぎて作りようがない」―大人になった私達に広く共通する悩みです。30代前半、私は、言い訳(他責含む)を止めて、答を早朝勉強に求めました。今でも、毎朝4時台に起床し、机に向かいます。ここでは、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された論文をノロノロ読み、後日、講演・執筆で利用できそうな気になる論文を備忘的にまとめています。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。