日本IBM AI倫理チームの玉稿はAmazonからぜひお買い求めください。
- 事件は法律事務所でおきているんじゃない、現場で起きているんだ丨企業法務の現場から外部法律事務所への相談は、生起したすべての問題をカバーしません。IBM様でのプロダクトカウンセリングや組織ガバナンス構造に至るまで、IBM様の内部の学びの蓄積がにじみ出ている良本でした。「現場だから書ける」付加価値のある情報が豊富・多数ありました。
- 問題発生前後でつかえる、IBM内部で考える16+1の「リスク」の網羅性も◎丨リーガルリスクマネジメントの「リスクの特定→分析→評価→対応」にも関連して、リスクを法的リスク以外についても丁寧に整理しているため、他企業でのAI問題発生前後(法務部として、社外役員として、委員会の有識者としてなど)にも分析の視点・枠組みとして有益と存じます。
- (具体例で学習しづらい)社員・アソシエイト・学生も学びやすい―事例・教材作りにも使えそう丨守秘義務等の兼ね合い、特定企業からのクレーム防止のため、政府や法律事務所が示す事例は、時々、ふわっと抽象的すぎたりします。この書籍は、AIを学生に教える際の事例づくりなどでも参考になりそうです。
引き続きご指導ご鞭撻をどうぞよろしくおねがいします。
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
いつも大変お世話になっております。日本IBMのGeneral Counsel(最高法務責任者)のAnthonyさんや皆さまにはご指導ご鞭撻いただいており、お世話になっております。いつも、ITのご先駆者として、様々な形でベストプラクティスの参考にさせていただいております。
本日、日本IBMチームの三保先生も執筆陣に加わられてた『AIリスク教本―攻めのディフェンスで危機回避&ビジネス加速』(Amazonで予約していた)新刊が届きましたので、レポートです。
結論、AIに携わられている弁護士・法務部員・研究者・政府関係者(お世話になっている経済産業省やデジタル庁の皆様)に強くおすすめです。IBM様のベストプラクティスが染み出ている本書は、お買い得です。というのも、最近、抽象論のAIリスク解説の論説・記事(最近は法務部門向けの専門誌・セミナーも抽象論で終わる記事も多く[守秘義務の関係で仕方ない]これら)と一線を画しており、AIに関する相談を受ける法務担当者は、年末年始に一気読みする「御本」にぜひぜひお加えください。IBM様のAIの歴史と堅牢/優秀な法務部門を考えると、組織内弁護士としては、「プロダクトカウンセリングしている法務部門が誰よりも製品・サービス・現場の悩みをわかっている」と確信します。事実、強力な法務部門をもつ企業ほど、外部法律事務所の弁護士に、すべての相談が行っているわけではないのです(=だからノウハウも内部に最も濃いものが残る)。