記事の詳細: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN29D5P0Z20C23A8000000
1. AIによる雇用の変化
- 米国でAIの導入が進行中で、それに伴い従業員の解雇が増加。
- 今年の8月までの累計で約4000人がAI導入を理由に解雇された。解雇された人数は1〜8月で約4000人、全体の約1%。
2. TモバイルUSの人員削減
- TモバイルUSが従業員の約7%を解雇する方針を決定。
- 主な理由として「AIの導入」が挙げられている。
3. 解雇対象の部門
- 主にバックオフィス業務、特に経理や人事などが影響を受ける。
- AIによる代替が容易な反復業務が中心。
4. 米国内のAIによる解雇状況
- 米国のレイオフ調査で「AIによる解雇」が新しい項目として追加。
5. テック企業における影響
- ドロップボックスが従業員の約16%を解雇する方針。
- AIに代替可能な職種が多く、新しいスキルを持つ人材が求められる。
6. 2030年までの予測
- 2030年までに米国の仕事の約29.5%がAIによって自動化されるとの予測。
- この変化に伴い、約1200万人が職業転換を迫られる可能性がある。
7. 高度なスキルの需要増加
- 反復業務のある高所得者や高学歴者もAIの影響を受けるリスクがある。
- 高度なスキルの習得が必要とされ、企業もリスキリングの支援を加速。
8. IBMとAT&Tの対応
- IBMは従業員の配置転換とリスキリング(筆者注:下記ハーバード・ビジネス・レビューの最新号も参照)に注力、AT&Tは独自の生成AIを導入。
- 両社ともAI導入により業務の効率化と人材の質の向上を目指す。
9. AI導入の倫理的課題と将来展望
- AIの導入に伴う雇用減少の範囲や影響は未知数。
- 労働市場に与える影響が今後の大きな課題となる。
AIの導入による雇用の変動は、法律的にも新しい課題を提起しています。ルールメイキングの文脈で常に提起している「制度のロックイン効果」に目を凝らし、現行の法律を再評価し、必要に応じてアップデートすることが重要となるかもしれません。
私たち法律職も、自分たちの専門的な雇用が当面安泰そう(定型的な契約書審査業務など付加価値が相対的に自動化されやすい定型業務などはそうではないと考えます。)でOKという話ではなく、技術の進化に柔軟に対応し、社会の公正と調和を支える役割を果たす必要があります。
また、法律家個人としても「リーガルリスクマネジメント」等の臨床法務技術を磨き、経営や事業に付加価値の高い法務サービスを提供し続けることが重要と考えます。
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ご相談・講演のご依頼などはこちらからご連絡を賜れますと幸いです。
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
「AIによる失業」は、執筆・講演会など様々な場面で引用ができそうです。