本日の「ハーバード・ビジネス・レビューを読もう」の目次
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AI時代こそ必要な「システム思考」入門丨一緒に学ぶ論文はこちら
Tima Bansal and Julian Birkinshaw (2025). Why You Need Systems Thinking Now: It’s the best way to anticipate the many secondary effects of change in an interconnected world, Harvard Business Review, 103(4), 124-133.
AI時代こそ必要な「システム思考」入門丨全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる>
本論文をどのように例えるか、職場の慢性的な『残業問題』への対策で解説します。複雑な問題を解決する際、流行りの手法だけでは副作用を生んでしまいますが、システム思考こそが根本解決に導くという内容です。
💥 ブレイクスルー思考(強行突破型) 「明日から18時完全消灯!強制退社!」とトップダウンで命じるやり方です。一見解決したように見えますが、実際は「隠れ残業」が横行したり、取引先とのトラブルが激増したりと、別の場所で深刻な副作用が発生します。
🛋️ デザイン思考(現場寄り添い型) 「残業で疲れている社員のために、豪華な夜食や仮眠室を用意しよう」と現場の不満(ユーザー体験)に寄り添うやり方です。社員の満足度は一時的に上がりますが、仕事の絶対量や非効率なプロセスは変わっていないため、根本的な解決にはなりません。
🌐 システム思考(全体最適型) 「なぜ仕事が滞るのか?」と全体を俯瞰し、「営業部が無茶な納期で安請け合いするから、製造部がパンクしている」という部門間の「関係性」や「流れ」の欠陥を突き止めます。特定の誰かを責めるのではなく、受注ルール(システム)自体を作り変えることで、無理なく残業がなくなる持続可能な仕組みを構築します。
全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。
AI時代こそ必要な「システム思考」入門丨個別丨本日のポイント
なぜGAFAの手法は失敗するのか? 既存の2大アプローチの限界
本論文は、「ゴルディアスの結び目」を切るか、ほどくか、に注目する。
現代のイノベーションにおいて支配的な2つのアプローチ、「ブレイクスルー思考」と「デザイン思考」は、複雑なシステムにおいてしばしば社会的・環境的な機能不全を引き起こす。
GoogleやUberに代表されるブレイクスルー思考は、プライバシー法や労働規制といった既存の関係性を無視し、「動き回り、破壊せよ」の精神でゴルディアスの結び目を一刀両断する。これは莫大な利益を生む一方で、法的紛争やギグワーカーの不安定化といった深刻な巻き添え被害をもたらす。
IDEOが普及させたデザイン思考は、結び目の一本の糸(ユーザー)だけに焦点を絞り、共感を武器に複雑さを切り抜ける。Airbnbは旅行者の課題を解決したが、地域社会に騒音や住宅不足という新たな問題を生じさせた。
これに対し、システム思考は複雑さを単純化せず、組織が人、製品、金融、データのネットワークの一部であることを認識する。電気自動車が中国の電力供給源に依存して炭素排出を増やす可能性や、ソーラーパネルが将来的に大量の電子廃棄物を生むリスクを予見し、システム全体を持続可能にするための、第三の、そして今最も必要なアプローチである。
AI時代こそ必要な「システム思考」入門丨30秒考えてみよう。
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(了)
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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。