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「創業者の最後の仕事」―1.3兆ドル規模の「世界的事業承継ラッシュ」の最新知見丨一緒に学ぶ論文はこちら
Josh Baron, Ben Francois, Tony Guidotti and Nien-hê Hsieh (2025). The Founder’s Final Act: How to hand over ownership and burnish your legacy, Harvard Business Review, 103(4), 86-94.
「創業者の最後の仕事」―1.3兆ドル規模の「世界的事業承継ラッシュ」の最新知見丨全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる>
本論文をどのように例えるか迷ったのですが、「映画監督」が、自分が生み出し、育て上げた作品(会社)を、自分が去った後も名作として残すにはどうすべきか、という視点で見たらわかりやすいかもと思いました。
🎬 「俺の作品」への執着が最大の敵:ずっと現場で指揮を執ってきた名監督(創業者)ほど、「自分がいないと現場が回らない」と思い込み、引き際を失います。準備なしに急に倒れると、現場は混乱し、ドラマは打ち切り(廃業)になってしまいます。
✍️ 「誰にメガホンを渡すか」で作品の味が変わる:
①息子に継がせる(家族承継): 作風は守られるかもしれませんが、実力不足だとファン(従業員・顧客)が離れます。
②大手制作会社に売る(PE/投資家): 予算は増えますが、「視聴率至上主義」になり、本来の良さが消されてしまうかもしれません。
③制作スタッフ全員で権利を持つ(従業員所有): 現場の熱量は維持されますが、経営的な判断が遅くなるリスクもあります。
🏗️ 名作を残すための「制作委員会」作り:Patagoniaの例などは、単に監督を交代するだけでなく、「このドラマのテーマ(環境保護など)を永遠に変えない」というルールを持った制作委員会(永続目的信託など)を作ったことに相当します。
監督個人の才能に依存せず、作品の魂を守り続ける仕組みを、引退前に作り上げることが「最後の仕事」なのです。
全3回の論文の内容を、ここにいる法務部門の我々みんなで、順番に抑えていきましょう。
「創業者の最後の仕事」―1.3兆ドル規模の「世界的事業承継ラッシュ」の最新知見丨個別丨本日のポイント
本論文によれば、理想的な承継モデルを見つけるには、仮説検証と学習が不可欠である。
Patagoniaの創業者Yvon Chouinardは、環境保護というミッションを守るため、売却やIPOを拒否した。彼は議決権を「Perpetual Purpose Trust(永続目的信託)」に、経済的権利を環境保護を行う非営利団体に移転するという革新的な構造を採用した。
また、住宅建設大手のDavid Weekleyは、他社の失敗事例を研究し、所有権を「従業員」「慈善信託」「家族(議決権を保持)」に3分の1ずつ分割する独自のモデルを構築した。
計画の実行段階では、買い手を見つけるだけで12か月から24か月を要し、相続人や従業員への継承はさらに長い時間を要する。
本論文によれば、Project Equityの調査では、中小企業の3分の1未満しか買い手を見つけられないという現実もある。著者らは、創業者はWeekleyのように、日常業務から退きつつも重要な決定に対する「キル・スイッチ(拒否権)」を一時的に保持するなどして、段階的に権限を委譲すべきである。マイルストーンを設定し、状況に応じて計画を修正し続ける柔軟性こそが、創業者が自らのレガシーを完成させるための鍵となると提唱する。
「創業者の最後の仕事」―1.3兆ドル規模の「世界的事業承継ラッシュ」の最新知見丨30秒考えてみよう。
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(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。