本日の「ハーバード・ビジネス・レビューを読もう」の目次
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Michael Mankins (2025). Lean Strategy Making – Standardizing your company’s approach can pay off. Here’s how, Harvard Business Review, 103(3), 42-51.
全体像丨わかりやすくまとめてみる
<わかりやすくまとめてみる> 本論文は、「部活の大会に挑むチームづくり⚾️」にたとえるとわかりやすいです。
└ はじめに、高い目標を掲げる監督が「次の大会でベスト4に入ろう」と少し背伸びした目標を示し、みんなのやる気を引き出します。
└ 次に、足りない力を洗い出す現在の実力と目標との差を調べ、「体力強化」「戦術研究」など課題リストを作り、練習メニューと担当者を決めます。
└ 最後に、練習毎に(例:練習試合の)結果を振り返り、戦術やポジションをこまめに修正して、目標とズレないようにします。
こうして「高い目標→ギャップ分析→定期調整」を回し続けることで、チーム全体の判断が速く正確になり、勝つ確率がぐっと上がる―これが「リーン戦略」のエッセンスです。多分。
個別丨本日のポイント
- Bain&Companyが350社を対象に調査した結果として、戦略関連の意思決定が「遅い」または「誤り」だった割合は45%超、さらに、戦略目標の達成率は平均70%未満であった。
- 筆者は、製造の現場では不良率25%が許容されないのと同様、戦略プロセスにも標準化が必要であると主張する。つまり、Toyota、Amazon、Intel、Nikeがリーン製造で達成した「変動減・スループット増・コスト減・品質向上」という成果は、戦略意思決定でも再現可能であると説く。
- 最初のステップとして、多年度の財務指標(収益・営業利益)と戦略指標(市場シェア・顧客満足)を組み合わせたパフォーマンス・アンビションを策定(詳細は原典をご高覧ください)。
- これはターゲット(交渉的な落とし所)とは異なり、組織にブレークスルーを促す「背伸び目標」。
- 既存の意思決定とリソース配分のみを前提としたMultiyear Outlook(MYO)を作成し、アンビションとの差分=戦略ギャップを明確化。
- ギャップを埋める論点は「ストラテジック・バックログ」に一覧化し、経済的インパクト(Value at Stake)と緊急度で優先順位付け。
- 各論点を検討する時期と責任者を示す「ディシジョン・カレンダー」を編成し、もって、取締役会や事業部会議と同期した決定リズムを構築。
30秒考えてみよう。
- 皆さんはどう思われますか?
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- この論文をシェアしたら喜びそうな事業部の方はいらっしゃいますか?(Web版は月1−2記事無料で読めるので、探してシェアしてみてはいかがでしょうか?)
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(了)
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「勉強時間なんて、忙しすぎて確保できない」と悩む方は多いものです。私は30代前半に他責の姿勢を改め、早朝学習に活路を見いだしました。現在も毎朝4時台に起床し、机に向かっております。この場では、英語版Harvard Business Review(HBR)最新号に掲載された論文をゆっくり読み、講演や執筆で活用できそうなものを備忘録としてまとめています。事業部を支える法務部や組織内弁護士だからこそ、毎週火曜日と金曜日にご一緒に専門外の最新知見に触れてまいりましょう。なお、これは私的な備忘録であるため、内容に誤りが含まれる可能性がございます。原文をお手元でご確認の上、ご検討いただければ幸いです。
(*)英語力が乏しいためノロノロとテクノロジーの力を借りて整理しています。学びがある雑誌で、私もファンの1人です。よろしければ、HBR定期購読(定期購読サイト)をご検討ください。