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Airbnbのリーダーの言葉(2/3)丨リーガルリスクマネジメントの教科書丨メモしておきたい言葉だち

第2回: 長期的リターンを見据えたリーダーシップ

「今、100万ドルの投資をすれば、将来500万ドルを節約できる。私たちが取り組んでいる計画は、今後3年間で大きなリターンをもたらすだろう ― コーポレート部門のリーダーはそういう説明が足りない。」

前回からお話しているある世界的リーダーが直面した課題は、世界中の膨大な情報の収集・分析を、AI技術を活用して効率化する必要性でした。架空の話ですが、従来の手法では、各国のデータを手動で収集し分析するのに多大な時間とコストがかかっていましたが、AI技術を導入することで、自動的にこれらのデータを取得し、リスク評価をより迅速かつ正確に行うことができるという新たな可能性があります。

従来のアプローチ
「AIを導入するための初期コストが高すぎる。今はその予算がないし、すぐにリターンが見えるわけではない。」

新しいアプローチ
「今、AI技術に投資することで、将来的には膨大なコストと時間を削減できる。リスクを自動的に評価することで、私たちは数年後に大きなリターンを得られるだろう。」

このBefore/Afterからもわかるように、短期的なコストにとらわれず、長期的な視野でAI技術に投資することが、将来的な企業の成功を大きく左右する可能性があります。

リーダーシップにおける教訓

AI技術の導入に関するこのリーダーのアプローチは、特にリーガル部門やリーダーにとって重要な示唆を含んでいます。

技術革新に対する短期的なコストの懸念は理解できますが、長期的なリターンを見据えた大胆な判断こそが、将来の競争優位性を築く鍵となります。

例えば、情報収集や規制対応の効率化は、短期的には多額の投資が必要になるかもしれませんが、数年後には(逐一、コンサルタントに相談したり、外国の法律事務所や国内法律事務所にお金を払ってGeneral Informationを収集することなどと比べて)膨大な時間とコストの節約につながるでしょう。

行動への促し

  • 長期的な視野を持つ: 目先のコストにとらわれず、将来的なリターンを見据えて投資を決断する。
  • 技術革新を取り入れる: 新しい技術を積極的に取り入れ、効率化と競争力向上に向けて行動する。
  • データ活用を促進する: AIや自動化技術を活用し、データに基づいた意思決定を迅速に行う体制を整える。

このようなアプローチは、長期的に見たときに、リーガル部門や企業全体に大きなメリットをもたらすことでしょう。

(*)上記はいずれも個人の解釈・見解です。

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[リーガルリスクマネジメントの教科書とは?]

リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版)は、2023年に出版された教科書です。リーガルリスクマネジメントという臨床法務技術を独学で学んでいただけるよう、心をこめて作成いたしました。きっと喜んでいただけると思います。

渡部友一郎『攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書』(日本加除出版、2023)

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(了)

※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。

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