Jorge Tamayo, Leila Doumi, Sagar Goel, Orsolya Kovács-Ondrejkovic, and Raffaella Sadun (2023). Reskilling in the Age of AI: Five new paradigms for leaders and employees, Harvard Business Review, 101(5), 56-65.
リスキリングは変革管理の一環
リスキリングプログラムを成功させるには、単に従業員にトレーニングを提供する以上のことが必要です。これは変革管理(change-management initiative)の一環と言えます。この過程で、従業員とマネージャー双方に適切なマインドセットと行動が必要です。
スキル供給と需要の理解
成功するリスキリングプログラムには、内外のスキル供給と、競争力を上げるために必要なスキルの需要を理解することが不可欠です。
HSBCやSAPは、World Economic Forumや外部プロバイダーからスキルタクソノミー(スキルの詳細な記述)を取得しています。
マネージャーのマインドセットの調整
中堅マネージャーは、従業員がリスキリングに参加することにしばしば抵抗します。
WiproやAmazonは、マネージャーの評価にチームのトレーニング参加度を含めるなどして、この問題に取り組んでいます。
実務内でのスキル形成
BCGの2021年の調査によれば、参加者の65%が仕事をしながら学ぶことを好むとしています。ICICI Bankの例では、従業員は仕事をしながら4ヶ月間の実践研修と8ヶ月間の現地研修を受けます。
従業員のマッチングと統合
リスキリングが成功するためには、新しい職種と従業員を適切にマッチングする必要があります。Amazonでは、メンタリングプログラムを多数提供しており、特に困難な遷移をする従業員にはキャリアコーチングも行っています。
小括
リスキリングは単なるトレーニング以上の多面的な取り組みが必要です。
成功の鍵は、①スキルの供給と需要の理解、②マネージャーと従業員のマインドセットの変革、そして③職場でのスキル形成にあります。最終的には、マネージャーから従業員までがこの変革をサポートする文化が必要です。
今日はここまで。引き続きどうぞよろしくお願いします。1歩1歩。
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(了)
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AI時代の「リスキリング」について考察された、ハーバード・ビジネス・レビュー最新号(英語)に掲載された、自学自習用に、論文を少しずつまとめます。