19年、経済産業省のWG委員に就任するにあたりベン・ハイネマン氏の『企業法務革命〜ジェネラルカウンセルの挑戦〜』を何度も読み返しました。経験30年以上のハイネマン氏が自らの経験を伝承する「遺言書」とお書きになった本書。若手組織内弁護士や企業法務パーソンの方々は、まだ見ぬ地平線や問題意識に触れることができ、必読の学びの書として強く推薦いたします。
外部法律事務所の先生方も、先生のクライアントマネジメント・新規獲得に極めて有益です。特に、ジェネラルカウンセルが法務部門を統括する外資系クライアントを深く理解(新規に獲得)するための、我々外資系クライアント側の内側を書いた本です。私が有益と感じるのは、例えば、(A) クライアント側の「法律事務所」へのExpectationが率直に書かれているパート、(B) 組織内弁護士と外部法律事務所間の「4段階進化」(インテル社の例)のパートです。また、一方で法律事務所が売り上げの観点から「量・時間」をクライアントに売り、他方でクライアントは「アウトプット・質」を買い求めており、ハイネマン氏は、このミスマッチを乗り越えた先に、米国でどのような「組織内弁護士―外部法律事務所間のパートナーシップ」(未来的関係)があるかまで明瞭に紹介されています。
ところで、500頁を超えるこの名著の普及に、私なりにどのように貢献できるか?
19年に私なりに出した答えは―司法試験の択一式で「肢別本」―でした。司法試験時代に勉強したように、法律実務家になっても、マルバツでシンプルに理解を厳しくチェックできるノートを作成しよう―でした。19年業務多忙のため、つい元旦2分前に完成しました。
以下のリンクから皆様へ無償で共有させてください。この名著が1人でも多くの方が、最先端の「企業法務の姿勢」について触れる触媒になれば幸甚です。
まだ『企業法務革命』をお持ちでない先生方、持っていても本棚に「積ん読」状態で読もうと思っていたという方がいらっしゃればぜひ個人的にノートをご活用いただければ喜びます。
自習用問題集「企業法務革命」1問1答ノート(ver1.1版 校正済)
◎ 随時改訂して最新版に差し替えます。12月31日にアップロードしたファイルを誤植修正した上で、1月1日正午にver1.1に差し替えました。
20年、私のミッションでもありブログのゴールでもある「empowering emerging lawyers(若手のスターの後輩・先生方をもり立てる)」を、創意工夫をこらして、わずかながらも貢献できたらと嬉しいです。
引き続きご指導ご鞭撻をお願いします。
また何か素人の私でより効率的な本書の普及のアイデアなどがあればお知らせください。なお、私は本書の著者ではなく販売に関して直接の利害関係は全くございません(印税などの利益はございません)。
参照リンク
(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。