
1. 今週の注目記事
組織改革の取り組み評価、門永氏・西村あさひら受賞 FT弁護士表彰
掲載紙:日本経済新聞 | 掲載日:2025年6月14日 | 記事URL: 記事はこちら
2. 組織内弁護士の視点
記事によれば、英フィナンシャル・タイムズ主催の第12回「イノベーティブ・ローヤーズ賞(アジア太平洋)」が2025年5月15日に香港で開催され、応募・推薦210件超から24部門の受賞が決まりました。
御祝+日本の法務部門がFT賞に応募する際のコツ
受賞された門永真紀先生、西村あさひ法律事務所、渥美坂井法律事務所の皆さま、このたびの栄誉に心よりお祝い申し上げます。また、ノミネートされた各先生・各事務所の皆さまにもおめでとうございます。
2021年に、ある大手法律事務所様のご推薦により、『Financial Times – Innovative Lawyers Awards Asia』でインハウス部門のショートリストされる機会を頂きました。提出資料とインタビューを専属チームが精査し、推薦順位を決定するプロセスは中立性と専門性が高く、現在も権威ある賞として評価されています。
ただし、誤解があれば恐縮ですが、リサーチチームは英語圏出身者が中心と感じた場面があり、豪州やシンガポールなど英語圏法務市場の知識を前提に議論が進みがちになる点は、日本チームとしては適度な留意が必要です(リサーチチームはそれでも丁寧にコンテキストを確認しようとしてくださり、敬意と感謝をもっております―ここでの話は、いかに暗黙のうちに前提を共有している日本人で働くプロ同士ではない場面で、文脈をわかりやすく伝えるかという技術の話をしております。例:規制改革推進会議とだけいっても、リサーチチームにはそれがどのような機関なのかよく分からない)。
そのため、日本の法律事務所や弁護士が評価を得るには、日本特有の背景や取り組みを丁寧に英語で補足し、文脈を共有する一段高いハードルがあります。今回の日本勢の受賞は、この障壁を越えた成果なのです。学びの途上にある組織内弁護士としても大きな励みになります。
自部門の顕彰を検討される大規模・国際的な日本企業の法務責任者には、本賞へのエントリーを謹んでお勧めします。応募は一般公募よりも、過去の受賞者や大手法律事務所からの推薦(refer)が端緒となる場合が多いため、日頃から連携先の先生方と関心を共有しておくと良いでしょう。英語で資料を作成する際は、経営へのインパクトや独自性を数字と具体例で示すことが鍵となります。今回の受賞に続き、日本の弁護士や法務部門が、国際舞台で存在感を高める未来はすぐそこにあるかもしれません。
3. 関連情報
それでは、各法律事務所のプレスリリースを確認していきましょう。
アンダーソン・毛利・友常法律事務所(AM&T)様
プレスリリース: https://www.amt-law.com/news/detail/news_20250515001_ja_001/
FT Innovative Lawyers Asia-Pacific Awards 2025
Financial Times(FT)主催のFT Innovative Lawyers Asia-Pacific Awards 2025の授賞式が2025年5月15日に香港で開催され、当事務所のパートナー門永 真紀が下記の部門において受賞いたしました。
Legal Intrapreneur
また、当事務所のパートナー中崎尚が下記の部門において選出され高い評価を得ました。
Innovative Practitioner
当事務所は、以下の部門においてもショートリスト掲載されました。
Innovation in Knowledge and Data
Most Innovative Law Firm in APAC (Headquartered in APAC)
詳細
https://www.ft.com/content/a889f748-3c5e-4917-8e38-899aec146985
https://www.ft.com/content/7dfba7d5-9c35-4173-afb2-a888b1f58199
https://www.ft.com/content/ab902a10-b2c0-4313-8c3f-fd88479ac21e
https://www.ft.com/content/9e162faf-b665-4d04-8dc2-3059a3403651
https://www.ft.com/content/f4e81b4c-d0b6-40ef-89c5-3f69a6a26574
西村あさひ(N&A)様
プレスリリース https://www.nishimura.com/ja/news/awards/20250515-112411
FT Innovative Lawyers Asia-Pacific Awards 2025においてMost Innovative Law Firm in People Strategyを受賞
英フィナンシャル・タイムズおよび調査パートナーであるRSGI Limitedが共同主催する、アジア太平洋地域で革新的な事業を展開する法律事務所や弁護士、企業の法務部門を表彰するFT Innovative Lawyers Asia-Pacific Awards 2025の授賞式が2025年5月15日(木)に香港で開催され、当事務所はMost Innovative Law Firm in People Strategyを受賞しました。
また、本部門に関する特集記事において、当事務所はStandoutおよびCommendedと称されました。
FT Special Report: Business of law: case studies
本表彰は、法曹界において国際的に非常に定評のあるプログラムであり、最も革新的・創造的・戦略的な事業を展開する法律事務所や弁護士、企業の法務部門が表彰されます。
People Strategy部門については、法律事務所の、ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン、ウェルビーイング戦略、弁護士とビジネス・サービス担当者のスキルへの投資に関する調査に基づき選出されます。当事務所は、日本の法律業界における弁護士とスタッフとの従来の関係性に対して行った革新的な改革が高く評価され、今回の受賞にいたりました。本取り組みを主導した執行委員パートナー・新家寛弁護士に関する記事が、以下に掲載されました。
FT Special Report: Intrapreneurs: behind-the-scenes changemakers(新家寛)
また、当事務所は “FT law firm index – Asia-Pacific” において、日本の法律事務所として7年連続で最上位にランクインしました。
本表彰の特集記事において、当事務所の執行パートナーである中山龍太郎弁護士のコメントが以下に掲載されました。
FT Special Report: Opportunities arise amid the geopolitical turbulence(中山龍太郎)
お写真は西村あさひ法律事務所様のプレスリリースより
渥美坂井法律事務所(A&S)様
プレスリリース https://policy-ri.jp/news/250515_ft
FT Innovative Lawyers Asia-Pacific 2025において渥美坂井法律事務所・外国法共同事業がInnovative Lawyers in Digital Regulationを受賞
Financial Times主催のFT Innovative Lawyers Asia-Pacific 2025において、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業がInnovative Lawyers in Digital Regulationを受賞しました。当研究所の活動内容が高く評価された形となりました。
受賞者リストはこちらをご覧ください。
お写真は、渥美坂井法律事務所・外国法共同事業様プレスリリースより
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(了)
※記事に関しては個人の見解であり、所属する組織・団体の見解でありません。なお、誤植、ご意見やご質問などがございましたらお知らせいただければ幸甚です(メールフォーム)。
日本経済新聞の月曜版「税・法務」は、多くの法務部門や弁護士の方がご覧になっていると思います。今週の注目記事を取り上げながら、皆さまのご意見も伺えれば幸いです。学びの途中ではありますが、情報交換の場として活用いただければと思います。